大津亮介が明かした本音「7回まで…」 打球直撃も示した“エースの自覚”…意地の続投も消えぬ悔しさ

  • 記者:長濱幸治
    2026.05.20
  • 1軍
ピンチを切り抜けガッツポーズを見せる大津亮介【写真:栗木一考】
ピンチを切り抜けガッツポーズを見せる大津亮介【写真:栗木一考】

小久保監督も心配「次回登板は考えます」

 チームメート、首脳陣、そしてファンも背筋の凍る思いを抱いたシーンだった。背番号19が苦痛に顔をゆがめ、トレーナーに支えられながらベンチに下がっていく。それでも右腕は戦いの舞台に戻ってきた。簡単にはマウンドを降りられない――。胸に芽生えた“エースの自覚”は、行動にしっかりと表れていた。

 19日のオリックス戦(京セラドーム)、先発した大津亮介投手がアクシデントに見舞われたのは2回2死の場面だった。若月の強烈な打球が自身の左すね付近を直撃。治療を経て続投した右腕は、6回まで投げて2失点(自責1)とゲームを作った。

 試合後、小久保裕紀監督は「ちょっと骨にかかっていたみたいだけど、骨には異常はない。どれくらい腫れて、出血しているか。次回登板は考えます」と説明。今後の見通しが楽観できるものではないことを明かした。そんな状態の中で先発投手としての役割を全うした右腕だが、登板後に語ったのは想像すらしなかった“悔しさ”だった。

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この先で分かる3つのこと

大津投手が胸中で燃やした、続投を貫いた「真の理由」
「引っ張っていくしかない」開幕ローテ全滅危機で抱く使命感
続投の決断がチームにもたらした「強い影響」の正体

「力を振り絞って6回まで投げられたのは良かったんですけど……。本当は7回も行きたかったです」

左脚に打球を受け、苦悶の表情を浮かべる大津亮介【写真:栗木一考】
左脚に打球を受け、苦悶の表情を浮かべる大津亮介【写真:栗木一考】

開幕ローテ“全滅”の危機に「引っ張らないと」

 試合後、報道陣の前に姿を現した大津の左脚にはガッチリとテーピングが施されていた。『痛みに耐え、6回まで投げてくれた』と誰もが思う中で、右腕が口にしたのは悔しさだった。6回を投げ切り、小久保監督や倉野信次1軍投手コーチ(チーフ)兼ヘッドコーディネーター(投手)にねぎらわれた際も、満足感は湧いてこなかった。「やりきったというより、もう1イニングいきたいという気持ちが強かったです」。

 大津がここまでの覚悟を口にする背景には、当然チーム状況がある。今季の開幕ローテを担った6人の投手で、現在1軍にいるのは右腕のみ。開幕投手を努めた上沢直之投手は右肘のコンディション不良で今後の見通しは不透明だ。その穴を埋めるべく、ともに20歳の前田悠伍投手、藤原大翔投手ら若手が懸命に腕を振っている。

「今は僕が先発陣を引っ張っていかなきゃいけないという思いはあるし、それが今日の続投という決断に影響した部分は当然あります。簡単に『降ります』とも言えないですし。意地でも投げられるところまで投げようと思っていました。気持ちだけは負けないように」

 倉野投手コーチも「次回登板については状態を見て決めます」と説明したように、今後の見通しは定まっていない状況だ。結果的には試合に敗れ、大津の覚悟が尾を引く可能性も否定できない。それでも、右腕の投球は周囲に強い影響をもたらすものだったのは間違いない。

 開幕ローテの6番手に“滑り込んだ”形でスタートした2026年シーズン。大津の無事を祈りつつも、エースの自覚が強く滲む投球が楽しみでならない。苦しむチームを上向かせる力が、右腕にはある。

(長濱幸治 / Kouji Nagahama)