正木智也が「どうしたらいいですか」 周東佑京にもらった“勇気”「期待してるんだからいけよ」

  • 記者:長濱幸治
    2026.05.17
  • 1軍
1回表ヒットで出塁する正木智也【写真:加治屋友輝】
1回表ヒットで出塁する正木智也【写真:加治屋友輝】

小学生以来…10数年ぶりの1番起用に応える安打

 まっさらな打席に立つには、想像以上の勇気がいる。それが「10年以上ものブランク」があるならば、なおさらだ。ここ2試合で1番起用されている正木智也外野手がアドバイスを求めたのは、ホークスが誇る切り込み隊長だった。「どうしたらいいですかね」――。

 今季最長の4連敗で迎えた17日の楽天戦(楽天最強パーク宮城)。チームは初回から主導権をがっちりと握った。2死三塁で栗原陵矢内野手が右翼席に12号2ランを叩き込み、幸先よく先制。この一打を呼び込んだのは、先頭で左前打を放った正木の働きだった。

「プロで1番を打ったのは、リハビリ明けの2軍戦だけだと思います。その時は打席数を確保するのが目的だったので……。プロ入り前なら小学生の時は1番でしたけど、中学以降は記憶にないですね」。ほぼ経験のないポジションでも、結果を残すしか自らが生き残る道はない。意を決して向かったのは、周東佑京外野手の元だった。

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この先で分かる3つのこと

切り込み隊長だからこそ…周東が口にした「期待」
正木が周東に全幅の信頼を寄せる「優しい先輩」秘話
手術から復帰した正木が1番で見せる「覚悟」

「第1打席の初球を振るかどうか迷っていて……。周東さんに『どうしましょう?』って聞きました。そしたら『(首脳陣が)お前を1番にしているってことは、振ることを期待しているんだからいけよ』と言われましたね」

手術で出遅れた今シーズン…先輩の助言を胸に

 17日の同戦は初球の真っすぐが低めに決まり、手を出すことはなかった。第1打席に中前打を放った16日の試合も、初球は外角一杯に投げ込まれた。「結局は2試合とも振っていないんですけど。甘い球だったら振りにいく準備はしていたので。そういう気持ちで打席に入れたのは、すごく良かったですね」。

 16日、そして17日ともに初球を見逃し、カウント1-1からの3球目を安打にしてみせた。周東から教わった積極性を忘れることなく、果敢にスイングを仕掛けたからこそ快音が生まれたのは間違いない。

 昨年4月に「左肩亜脱臼」を負い、手術した際にも、周東は“グミ”を持ってお見舞いに来てくれた。正木が「本当に優しい先輩で大好きです」と明かすほどの関係性だからこそ、“未知の役割”を求められた時に真っ先に頭に浮かんだのが周東の顔だった。

「1番を打つなら周東さんに聞きたいな、聞かなくちゃいけないなと思いました」

 正木自身、今シーズンは右足の蜂窩(ほうか)織炎による手術で出遅れた。慣れない打順でも、結果を残し続けなければ1軍に居場所はない――。その強い覚悟と先輩のアドバイスを胸に、切り込み隊長としての役目を果たしていく。

(長濱幸治 / Kouji Nagahama)