電撃トレードに海野隆司が語った思い 激化する正捕手争い…首脳陣が見た1日「雰囲気違った」

  • 記者:長濱幸治
    2026.05.13
  • 1軍
海野隆司と山本祐大【写真:栗木一考】
海野隆司と山本祐大【写真:栗木一考】

DeNAの山本祐が加入…小久保監督も口にした期待

 ホークスに強い衝撃が走った。12日、DeNAとの交換トレードが成立し、山本祐大捕手が加入することが決まった。今季はDeNAの捕手陣でチーム最多の28試合に出場している正捕手で、2024年にはベストナイン、ゴールデン・グラブ賞に選出された27歳。近年では異例ともいえるトレードに、小久保裕紀監督も「セ・リーグで一番のキャッチャーだと思います。打つ方も含め、そりゃ期待しますよ」と口が滑らかだった。

 気になるのは今後の捕手起用だ。ホークスで長年マスクをかぶってきた甲斐拓也捕手がチームを去った2025年シーズンは、海野隆司捕手が105試合に出場。正捕手としてリーグ連覇、そして5年ぶりの日本一に大きく貢献した。今季もここまで29試合に出場しており、首脳陣の守備面に関する評価は依然として高いままだ。

 今後の野球人生を左右しかねない“分岐点”に立たされた海野は今、何を思うのか。そして首脳陣は“正捕手争い”をどう考えているのか。“当事者”たちの本音に迫った。

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「刺激になっていいんじゃないですか。今日のキャッチャー練習を見ていても、3人の雰囲気が違っていたので。良い相乗効果が生まれるんじゃないかなと。チームにとって確実にプラスになるトレードだと思います」

 そう明かしたのは細川亨バッテリーコーチだ。12日時点で1軍の捕手陣の陣容は、ともに28歳の海野と谷川原健太捕手、そして25歳の渡邉陸捕手だ。27歳の山本祐と年齢も近いだけに、今回のトレードが大きな刺激となるのは間違いない。

言葉数は少なくとも…海野から伝わった強い決意

 山本祐について「やっぱり肩の強さは抜群ですね。それに加えてバッティングも良いので。(DeNAで)日本一も獲っていますし、チームへの貢献度はすごく大きいと思います」と高く評価した細川コーチ。一方で海野に対しては「危機感しかないと思いますね」と断言する。

「自分の力で危機感をどう乗り越えるのか。試合に出るにはやっぱり活躍するしかない。そこはもう、結果で見せていくしかない。厳しい言い方をすれば、ここからより成長できなければ生き残れないので。プロ野球で生き残っていかないと生活できないし、チームの柱になることを考えないといけないですよね」

 プロ野球の世界で生きていく以上、競争は避けて通れない。それは海野だけでなく、ホークスの捕手陣全体に言えることだ。「谷も陸も、そして2軍にいるキャッチャーも、山本や海野を超えていかないといけない。1つのポジションしかないわけですから」。正捕手の座をめぐる争いが、結果的にチーム力の向上につながっていく。

 海野自身も自らが置かれている立場を理解している様子だった。「切磋琢磨して頑張ればいいかなと思います。(山本祐は)本当にめっちゃ良いキャッチャーですし、それは僕も思っているので。自分ももっと勉強しなくちゃいけない。そう書いておいてください」。言葉数は少なくとも、強い決意は十分に伝わってきた。

 リーグ3連覇、そして2年連続の日本一を狙う2026年シーズンの“分水嶺”となるかもしれない今回のトレード。正捕手をめぐる争いはし烈を極めそうだ。

(長濱幸治 / Kouji Nagahama)