松本晴と海野隆司が温めていた“1年計画” 「俺が受けるなら…」 昨季から25倍増の新たな武器

  • 記者:長濱幸治
    2026.04.20
  • 1軍

鷹フルnoteに松本晴が初登場…明かした“相棒”との秘話

 選手の知られざる本音に迫る2026年の新連載「鷹フルnote」。今回は松本晴投手が初登場してくれました。今季は開幕から先発ローテ入りしている25歳。さらなる進化を狙う左腕に見える“顕著な変化”とは――。背景には、海野隆司捕手と去年から交わしていた「やり取り」がありました。

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 昨季は中継ぎ、先発として自己最多の6勝をマークし、飛躍のきっかけをつかんだ松本晴。19日のオリックス戦(みずほPayPayドーム)では今季初黒星を喫したものの、自己最長となる8回1/3を投げて2失点と、ワンランク上のステージに上がった印象すら与えるほどの投球を見せた。

 2026年シーズンの目標に「開幕から1年間ローテーションで投げ切る」ことを掲げた左腕。あえて数字を口にしないのは、シーズンを完走できれば相応の成績を残せる自負があるからだ。飽くなき向上心はデータにも表れている。昨季の「0.4%」が今季は「9.7%」――。これはある球種の投球割合だ。

「海野さんも僕と同じ考えで、『試合でより使えるボールにしたいね』と。それは去年から話し合っていることです」。1年間で25倍近く割合が増えた“球種”にこそ、左腕の進化が隠されていた。

会員になると続きをご覧いただけます

続きの内容は

進化の裏にあった、自主トレでの「ある秘策」
打者が最も嫌がる「40・20・20・10・10」の真相
「俺が受けるなら…」相棒・海野がもたらした提言とは

「アナリストの方や、自主トレでお世話になったアメリカのピッチングコーチとも話をして、間違いなく投げた方が効果的だというのは分かっていたんです。ただ、いざ試合で通用するかというのは、また別じゃないですか。去年は全く『使えるボール』じゃなかった。そこでオフシーズンにしっかり取り組んで、ようやく使えるボールが増えてきた感じです」

左腕が理想に掲げる「40・20・20・10・10」

 松本晴にとっての“新たな武器”、それはカットボールだ。セイバーメトリクスの指標などで分析を行う株式会社DELTAのデータによると、昨季の投球全体のうち、カットボールの割合はわずかに0.4%だった。一方で今季は4登板を終えて、その割合は9.7%。実に25倍近くも激増している。

「去年は4球くらいしか投げていなかった」と左腕が語るように、昨季の投球割合はストレート49.5%、スライダー24.0%、チェンジアップ14.3%、カーブ11.8%(不明0.1%)だった。鋭く小さく曲がるカットボールが加われば、投球の幅も大きく広がる。

「本当はカット(の投球割合)を10%にしたいですね。真っすぐが40%で、スライダーとチェンジアップを20%ずつ、カーブとカットを10%ずつくらいにできればバッターは嫌かなと。試合によってもちろん変わりますけど、シーズンが終わった時にトータルでそれくらいになっていたら、バッターとしてはすごく邪魔になる球種かなと思います」

 さらなるレベルアップを誓う左腕の考えを、“相棒”も同じく持っていた。「去年から『俺がキャッチャーとして受けるなら、カットがあればありがたいな』という話はしていたので。そこからずっと取り組んで、試合で使える球になったということですね」。海野自身もまた、手ごたえをつかんでいる様子だ。

「まだまだ“徐々に形になってきた”というレベルなので。これからもっとよくしていかないといけないですし、練習していくしかないです」。左腕が理想に挙げる「40・20・20・10・10」が実現すれば、ホークスにとって欠かせない存在となる。松本晴の一球一球に注目だ。

(長濱幸治 / Kouji Nagahama)