ラスト1枠の川村友斗は「決まっていた」 首脳陣決断の舞台裏…イヒネ、緒方の起用法にも影響

勝利の喜びを分かち合う川村友斗(中央)【写真:栗木一考】
勝利の喜びを分かち合う川村友斗(中央)【写真:栗木一考】

シーズン開幕前日に「滑り込み」…17人目は川村

 シーズン開幕前日の26日、全体練習が行われたみずほPayPayドームのグラウンドに川村友斗外野手の姿があった。まさに“滑り込み”で開幕1軍入りを果たした形となったが、首脳陣は1週間ほど前から川村を呼び寄せる構想を持っていた。“ラストワン”はどのよな経緯で決まったのか。舞台裏を探った。

 オープン戦ラストとなった21日の広島戦(マツダスタジアム)。9回2死で痛恨のエラーを犯した笹川吉康外野手を始め、渡邉陸捕手、秋広優人内野手、津森宥紀投手、中村稔弥投手、大江竜聖投手、大竹風雅投手の7人にファーム行きを通告した。この時点で1軍野手は16人。残り1人の“空き”があった。

 最後の1人として呼ばれたのが川村だった。野手部門の“ヘッド格”、村松有人野手チーフコーチは「守備や走塁のところで選手が必要だったので。1軍に呼ぶのは当初からの予定でした」と説明。イヒネ・イツア内野手や緒方理貢外野手の名前を引き合いに出し、現状の首脳陣のリアルな評価を口にした。

会員になると続きをご覧いただけます

続きの内容は

笹川残留なら落とされていた「もう1人の選手」
緒方ではなくイヒネを優先した「首脳陣の真の狙い」
柳田、近藤、柳町…「交代要員」が必要な理由とは

「(笹川)吉康が残ろうが残るまいが(川村を)呼んでいました。だから、仮に吉康が開幕1軍に入っていたら、誰か1人を落とす形になっていたということです。そこは(マツダでの)広島戦以前から決まっていたことですね」

柳田、近藤、柳町…「当然交代要員が必要になる」

 そう明かした村松コーチは、川村本人に対して昇格させる方針を「伝えていなかった」という。あくまで気持ちを切らさずに調整させることで、状態を少しでも上げさせようという首脳陣の考えだった。

 笹川が開幕2軍スタートになったことで、1軍で外野手登録されている野手は柳田悠岐近藤健介周東佑京柳町達川村友斗の5人となった。「柳田や近藤がフルで出られるかどうか、また柳町への代走や守備固めというところで当然交代要員が必要になる。走塁や守備面で川村は実績があるので。そういう判断になりました」と村松コーチは語る。

 一方でファームには緒方理貢外野手が控えている。2024、2025年と代走、守備固め要因として立ち位置を築いたに思われるが、村松コーチはこう説明する。「緒方が1軍にいれば代走や守備固めの1番手になるので。そうなるとイヒネの出番がなくなってしまう。今はイヒネを育てようというところが強いので」。

 一方でイヒネに対しても“期待枠”で1軍に置き続けるわけではないと強調する。「まだ経験も何もないので、ミスをすることも当然あると思います。常にイヒネに何かがあれば、すぐに緒方と入れ替えることになると思いますよ」。勝利と育成の両輪を求められるホークスだからこその運用でもある。

「監督の了承も得ながらやっていくというところです」と付け加えた村松コーチ。開幕1軍の「ラストワン」に込められたチーム方針――。これからメンバーがどのように変化していくのか、注目だ。

(長濱幸治 / Kouji Nagahama)