「2軍だけじゃなくて、ファームは教育の場」
ホークスの春季キャンプが1日、宮崎市の生目の杜運動公園とタマスタ筑後で始まった。斉藤和巳2軍監督は、昨季の3軍監督から配置転換されて初めての球春。1月31日には「B組だけのミーティング」を開催し、若鷹に思いを伝えた。「声」を大切にしてほしい理由、言語化の必要性、そして「個人的には感慨深い」と語ったワケとは? 初日の練習後、取材に応じた指揮官の一問一答は以下の通り。
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続きの内容は
・「失敗」をプラスに変える…若鷹に求める「言語化」の真意
・1軍にはない?斉藤監督が「声」の大切さを若鷹に伝える理由
・監督同士として並び立ち…「ずっとお世話になっている先輩」
――練習前のあいさつでは、選手たちに「声」の大切さを伝えていた。
「その前にSC(ストレングス&コンディショニング)も『アンサー(の声を大切に)』ってところは言ってくれたからね。じゃあ、それが野球の技術につながるかと言えば、そうじゃないかもしれないけど。朝も話したけど、声は連携になるし、習慣になって損はない。個人にとってもチームにとっても、プラスなことしかないから」
「1軍やA組の選手に言わないといけないかと言えば、そういうレベルにはない。だから上にいるわけだし。2軍だけじゃなくて、ファームは教育の場なので。1軍に行って、極力困らないように。いろんなことを含めてどうしていけばいいのか、それはこちらも考えないといけないから。選手たちにそういう意識を持たせるのも、こちらの仕事なので。細かいことにどれだけ興味を持ってもらえるか。ここぞという場面で大きな失敗につながらないように」
「声だけじゃなくて、目配り気配りもあるだろうし。声って、誰かが出していたら出さなくてもよかったりするのよ。目立たないから。『それでいいや』じゃなくて、細部にどれだけこだわりを持てるか。それがプロの仕事でもあるので。ある意味、声というところもこだわりを持てるように」
「昨日もB組だけでミーティングをした。そういう意識を持てたら守備面でも走塁面でも、ちょっとしたことが気になってくる。些細なことを感じ取れるようになってもらえたら。そうなれたら、今度は武器になるし、技術が上がって成長のスピードも上がる。その意識が1年間を通してできたらいいな、と」
「言語化ができれば失敗は失敗じゃない。チャレンジになる」
――B組だけのミーティングでは「自分で考える力をつける」「自分のこととして全てを考える」ことの重要性を伝えた。
「選手に伝えたのは『指示待ちになっては成長のスピードを遅れさせる』と。成長を止めてしまうから。行動して、チャレンジして、そこには成功も失敗もあると思う。成功は自信にしたらいいけど、失敗に関しては、そこで『なぜ失敗したのか』を言語化できるように。そういう話をした。言語化っていうのは、その時だけの出来事ではないからね。そこに至るまでの考え方とか、その先に何が見えていて行動したのか、前後にもつながってくる。言語化ができれば失敗は失敗じゃない。チャレンジ、トライになってくるから。そういう失敗はプラスでしかない」
――小久保監督は2軍監督に就任した時、スリッパを並べる、ペットボトルは自分で捨てるといった“人として”の部分を選手に伝えていた。斉藤監督が2軍の指揮を執るにあたって、心がけたいことは。
「それに似たようなことは昨日話したかな。ペットボトルに関しても、ファームとしてそういうルールでやっている。自分のことは自分でやる。自分のことではなくても、見て見ぬふりをするんじゃなくて、気がついたら行動できるように。そうすることで視野が広がったり、マインドがコントロールできたりとか、野球を辞めた後にも必ず生きてくる。今は野球をやっているからね。直接技術に関連するわけではないかもしれないけど、遠いところから絶対に関係してくるから。そういうところにも興味を持ってほしい」
「ウエート場でも、使ったらしっかりと片付ける。公共のジムに行ったら、やるやろ? じゃあなんでここでできないのって。それは『誰かがやってくれる』っていう思いがあるから。そうじゃなくて、自らやる。1回1回が完璧じゃないかもしれないけど、そういうことは伝えていかないといけない。教育だから」
――今朝の集合でも小久保監督と並び立ち、サイン会も一緒に行った。現役時代にお世話になった存在なだけに、特別な日になった?
「特別な日というか、個人的にやけど感慨深い感じ。ずっとお世話になっている先輩と、監督同士として近くなって。今までとは違う会話になったりもするし、ずっと背中を見て追いかけてきた人とこういう立場になって、『選手のために』ということを話せるのは感慨深い。個人的にはそう思うけど、そんなところに浸っていては仕方ないからね」
(森大樹 / Daiki Mori), (竹村岳 / Gaku Takemura)