CSは12打数2安打も…誓う昨年の“リベンジ”
背番号6はベンチから歓喜の瞬間を見届けた。20日に行われた日本ハムとのクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージ第6戦。最後の1球まで手に汗握る展開が続いた一戦で、躍動するナインを笑顔で出迎えたのが今宮健太内野手だった。
今回のCSは3試合に先発し、計12打数2安打と満足いく結果は残せなかった。それでも、持ち前の守備力やチームメートへの気遣いを随所に見せた34歳。明かしたのは最強のライバルに対する偽らざる“本音”、そして川瀬晃内野手の決勝打が生まれる直前に交わしていた嶺井博希捕手との「会話」だった。
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続きの内容は
・今宮が明かす、川瀬決勝打の“予感”
・嶺井と交わした「直前の会話」とは
・昨年の悔しさを晴らす“舞台”は整った
「やっぱり相手を乗せる前に勝ち切りたかったっていうのが本音ですけどね。まあ相手も意地があるわけですし、実際に圧倒されていたので。それでも最終的に勝ちゃいいと思っていました」
2010年の入団以降、8度のリーグ優勝(今季を含む)と7度の日本一を経験した百戦錬磨の男から見ても、日本ハムの勢いは本物だった。「(小久保裕紀)監督が言っていた通り、パ・リーグを盛り上げた2チームが最後の最後まで全力を出し合った。そこで勝ち切れたのは、本当にホークスが強かったっていう証明じゃないですか」。最強のライバルとの一大決戦を制したチームの底力を改めて痛感した。
ベンチで嶺井と話していた“ストーリー”…「本当に」
試合を決めた一打の直前には、ある“予感”が頭に浮かんだ。同点で迎えた5回2死満塁で川瀬が右前適時打を放ち、この1点が決勝点となった。「打つと思っていましたよ」。このイニングが始まる前、ベンチ内で嶺井とこんな会話を交わしていた。
「マッキー(牧原大成)が多分、起点になるなみたいな話をしていて。2人でそんな話をしていたら、本当にマッキーが得点に絡んで。そんな話をしておいてよかったなって思います」
今宮の見立て通り、5回2死一塁で牧原大が中前打で続いたことが劇的な一打を呼び込んだ。自身に代わって遊撃で先発した川瀬に対しても、「大舞台に強い男です。さすがだと思います」と称賛した。
自身は9月上旬に左ふくらはぎを痛め、ポストシーズンでの復帰を目指して急ピッチで調整を進めてきた。今なお万全とは言えない状態だが、1年越しの“リベンジ”を果たす舞台は整った。「昨年、日本シリーズで悔しい思いをしているので。そこへの切符を取れたのは、本当に大きいなと思います。あとはもう、自分のできることをしっかりやりたいなと思います」
前回の日本シリーズでは24打数9安打の打率.375、2打点と奮闘。敢闘賞を獲得したが、チームは頂点に届かなかった。頼もしい後輩とともに向かう最終決戦。次こそはグラウンドで歓喜の瞬間を迎えるつもりだ。
(長濱幸治 / Kouji Nagahama)