21歳バースデーのアルメンタが6回1失点の好投
ソフトバンクの3軍は26日、タマスタ筑後で行われた巨人3軍との練習試合に5-2で勝利した。先発のアレクサンダー・アルメンタ投手が6回1失点と好投。打線は5回に一挙3点を奪って逆転に成功すると、その後も着実に加点した。育成3年目の佐藤航太外野手は3安打と猛アピール。23日からの巨人3軍との4連戦(24日は雨天中止)を2勝1敗と勝ち越した。斉藤和巳監督のコメントは以下の通り。
――26日に21歳の誕生日を迎えたアルメンタ投手の好投もあって勝利した。
「バースデーって知らんかったけどね(笑)。相手のミスももちろんあって、得点できた部分もありましたけど。そのミスを誘った走塁のところも、みんな常に大切にしてくれていますね。第2リードも大事にしてくれているからこそ、送球ミスでチャンスが広がったり、得点を取れたところもあるので」
「打って点を取れたシーンもあったし、ラッキーなヒットももちろんあったけど。打つ、投げるだけじゃなく、それ以外の細かいところができていたことで、相手に色々とプレッシャーを与えられたので。明らかな安打とか綺麗な安打ばかりで点を取ったわけじゃないので。そういったところは日頃の彼らの意識なので。そのあたりをコーチが常に伝え続けてくれていることが、きょうはいい形に出たのかなと思います」
「やっぱり質が違うからこそ、この世界にいる」
――24日の試合は中止になったが、巨人との3試合はいずれも競った試合になった(23日6-5、25日0-2、26日5-2)。
「普段は独立リーグのチームと試合していますけど、同じNPBというところで選ばれた者同士が戦うと、それなりに力のある選手が多いので。そのあたりはやっぱり質が違うからこそ、この世界にいるわけで。バッターもいいピッチャーがくると、なかなか思うように攻撃ができなかったりとか。ピッチャーもいつもなら真っすぐで空振りやファウルを打たせてカウントを稼げるところが、前に飛んで安打になったりとか。で、その真っすぐを思うように投げきれなくなって、苦しくなったりする場面もあったので」
「いつもとは違う感覚を得られる試合ばかりだったので。3、4軍の選手たちにとっては非常に内容的にも、この先何かしらが彼らの中で残っていく試合ができたんじゃないかなとは思います」
――野手では育成5年目の桑原秀侍内野手が21、22日の2軍戦で9打数5安打と結果を残した。3軍に戻ってきて変化は見えた?
「クワに関しては、春先にちょっと状態が上がらずに、コーディネーターとかコーチとかとも色々と話をして。様々な角度でみんなが色々なことを伝えながら、監督としても打順を変えたりして刺激を入れて。彼も彼で危機感を感じながらやっているので。そういったところでここ1か月くらいは、やっとクワらしい姿になってきた感じがしているので。いいタイミングで先日、2軍に上げてもらって。また近々、多分チャンスはあると思うので。頑張って状態をキープしてくれていますね」
――ともにプレーしている選手も「俺だってやればできる」という思いになれる。
「そうね。そうなってほしいなっていうのもあるし。ただ、やっぱり2軍に上がったことがない選手も多いので。そういう選手に関しては、まだ2軍ですら遠く感じてしまったり、イメージが自分の中で湧かなかったりっていうのはあるので。そのあたりは、そんなに平等ということもないので」
「ただ、コーディネーターの方も色々と考えていただいて、経験っていう面でピッチャーも野手も(2軍に)上げてもらっている部分もあるので。そういうところで、周りが上がったことで『俺も』って思ってくれるような接し方だったり、2軍をそう遠く見せないのもこちらの仕事なので。そういったところは今年は去年に比べると、いい刺激をみんなが感じてくれているんじゃないかと思います」
筑後に主力ずらり「怒られるかもしれないけど…」
――23日の試合では東浜巨投手が登板した。1軍選手と一緒にプレーできる機会もなかなかない中で、いい刺激になる。
「それは常にありますよ。今年は本当にピッチャーよりも野手の方がね、1軍の主力が筑後で過ごす時間も多いので。ホークスとしては大きなマイナスですけど。3、4軍の観点で見ると、言い方が適切かは分からないですけど、非常にいい時間を過ごさせてもらっていますね。そういう選手たちと同じ時間を過ごして、話を聞いたり見たりすることができているので。やっぱりプロのすごさというか、やっぱりあそこまでいかなあかんのやっていうのを間近で見られるのは大きいですよね」
「そのあたりで言うと今年は3、4軍に関しては、いい形で回っている感じはありますけどね。まあ、これを言うと怒られる可能性もあるので。全体としてはやっぱり苦しいのは間違いないし、1軍が勝たないと意味はないので」
――直近では川口冬弥投手が支配下登録をつかみ取った。3軍の選手にとっても、この1か月というのは大事な時間になる。
「3、4軍の選手に限った話ではないですけどね。2軍にも育成選手はいるので。ここにいる選手たちも、そのあたりはわかっていると思うんでね。ここ(3軍)で頑張って支配下になれるとは思っていないだろうし、2軍に行って、そこにいる支配下の選手を抜かないと支配下にはなれないっていうのもわかっているやろうし。今の時期っていうのは、彼らは色々と思いながら、感じながらプレーしていると思うので。そのへんも難しいとは思います」
「ただ、やっぱり努力というか、前に進むために日々やるしかないし、前向きにやってもらいたいので。それはもう、僕らは本人たちの努力に期待するしかない。期待というか、期待は基本しているんですよね。もう信じるしかないっていう。こっちもある意味、バカになって信じ続けるしかない。頑張ってくれる、絶対いつかわかってくれる、気づいてくれると思いながら過ごしていますよ」
――ある意味盲目的に信じるしかない。
「そうそう。もう、そうじゃないとね。なかなか難しいっていうか、彼らの気持ちもわからないことはないんですよ。まだまだ若いし、未熟やし。そこに完璧を求めてもしょうがない。気持ちが落ちることもあると思います。それに対してイライラすることも正直あるけど、そんなことばかり思っていても、彼らとの時間は過ごせないので。こっちがすぐに切り替えてあげて。まずはこっちが前を向いてやらないと。選手たちに前を向かせることはできないので」
(長濱幸治 / Kouji Nagahama)