有原航平の復帰戦の評価は? 4敗目も「伝わってきた」ものとは…小久保監督の一問一答

小久保裕紀監督【写真:古川剛伊】
小久保裕紀監督【写真:古川剛伊】

徹底した独自取材、データ分析
選手の本音や核心に迫る「鷹フル」

山川&周東に一発も…有原が8回4失点で5敗目

 ソフトバンクは27日、みずほPayPayドームでの日本ハム戦に2-5で敗れた。先発の有原航平投手は7回まで2失点と粘り強く投げたが、8回にスクイズを決められるなど、計4失点。5敗目を喫した。打線は5回に山川穂高内野手、周東佑京内野手にソロが生まれ、一時は同点に追いついたが、6回以降は得点を奪えなかった。約2か月ぶりに1軍復帰した近藤健介外野手は2安打をマークした。この日、取材対応した小久保裕紀監督のコメントは以下の通り。

○試合前

――近藤選手が昇格。
「想定よりも早いです。交流戦明けに万全かなというイメージでしたけど、それよりも前なので」

――起用法は考えていく。
「きょうとあしたは2連戦ですけど、6連戦になるとね。それは体と相談しないといけない。でも、ビハインドでは代えられないですよね。自分と比べたらあかんけど、あのくらいの選手は下(2軍)で出ていようが、出ていなくても関係ないと個人的には思う。無理はさせないけどね」

――打順については。
「そこは(首脳陣)みんなで話をしました」

――欠かせない選手が復帰したことで、チャンスが限られる選手は?
「外野の一角じゃないですか」

――有原投手、リバン・モイネロ投手をローテーションで並べた。日本ハム戦に持っていきたかった?
「それが全てじゃない。確かに1つではありますけど、交流戦は6連戦が入ってくる。前の段階で、ここしかなかった」

――有原投手は登録抹消を経て復帰登板。
「調整方法は任せている。火曜日、週の頭を任せているんですから、長いイニングというのは自分でも求めているところじゃないですか」

――登録抹消される前の投球は、監督としてはどう見ていた?
「ヒットが多いなという話はしていました。『決まった』という球で打ち取れていない、と。原因は投手コーチ、R&Dと話をしていました」

イヒネの昇格「何かを感じて帰りなさい、と」

――イヒネ・イツア選手が1軍昇格。
「何かを感じて帰りなさい、と話をしました。本来なら1軍に上げられる選手じゃない。なんでこのタイミングだったのか。彼に刺激を与えるというのが1つです。チームの将来を考えて、と。その枠です」

――成長を感じる部分は。
「去年は思ったよりも守れるなと思っていたんですけど、今年はエラーが多いじゃないですか。同じ評価だと下がる世界なので。現状維持は退化。今宮(健太内野手)が戻ってくるまでにね。球団も(イヒネを)ドラフト1位で獲得しているわけだし、宇野(真仁朗内野手)や石見(颯真内野手)というイキのいい高卒も出てきている。あっという間ですよ。もろもろ考えて、城島(健司)CBOとも話をして、このタイミングしかないなと思いました。まあ、17番目の野手じゃないですか。庄子(雄大内野手)も、(笹川)吉康(外野手)もそうですけど。2軍の試合に出させないといけない。言い方は悪いですけど、終盤の代走だとか、そこの代わりになるピースはいるんです。ファームの試合に出ないと。(実力では)守備でもイヒネよりも庄子の方が数倍上手いですから」

――大野稼頭央投手も昇格した。
「大野も未来枠、希望枠です。勝ちパターン(での起用)はないと思いますけど、下で絶好調の選手が上を経験することでどうなるか。何が正解かはわかりませんけど、トライすることが大切。エラーすれば、またトライすればいいので」

――イヒネ選手を昇格させた狙いは1つではなく、多くの思惑がある。
「危機感を持った方がいいです。きっかけを作るのは僕らの仕事。決断は僕らがやるしかないんですけど。技術はすぐに上手くならないので、何かを感じて帰ってほしいですね。『スポンジになります』と言っていました」

――今宮選手が2軍戦で復帰する。
「話はして、確認します」

――復帰のプランは。
「来週火曜日(を目処にしている)。本人もそのつもりでやっているし、何もトラブルがなければ」

■栗原への代打は「きょうに関しては…」

○試合後

――有原投手は粘り強く投げていたが。
「8回は全然迷いなく行かせました。相手も伊藤(大海投手)だったので、投手戦になるだろうとは予想してましたけどね」

――登録抹消を経て良くなった部分は?
「真っすぐの使い方とか、そういうのは伝わってきましたね」

――ミスが痛かった。
「そうですね。9回の1点はいらなかったですね」

――近藤選手は復帰後即フル出場した。
「ビハインドではなかなか代えられないので。リードしていれば別ですけど。腰の心配というよりは足なので。感覚的に違和感はないみたいなので、勝ちゲームなら考えます」

――近藤選手が入るだけで打線に厚みが出る。
「それはありましたね」

――8回の場面は、栗原選手に代打は考えなかった?
「きょうに関してはなかったかな。きょうに関しては。レギュラーとして使っている選手なので。ただチームが勝つためにやっているので。状態が上がらなければ考えますよ、当然」

(長濱幸治 / Kouji Nagahama)