小久保監督が言及「週明けという話はしている」
大黒柱が間もなく戻ってくる。チームにとってこれ以上ない“朗報”は、ポジションを争っている若手にとっては新たなサバイバルのゴングでもある。首脳陣が明かした生き残るための「絶対条件」とは――。
24日に熊本で予定されていたオリックス戦は雨天中止となった。「残念ですね」と表情を曇らせた小久保裕紀監督だったが、戦列を離れている近藤健介外野手の1軍復帰に話題が移ると、言葉に力がこもった。「全然あります。週明けという話はしているので。無理はさせないけど、彼がいけるということであれば」。
4月2日に腰の手術を受けた近藤の離脱を受け、若手野手は懸命にアピールを続けた。現在1軍に同行している野手のうち、20代かつ今シーズン外野手として先発出場したのは周東佑京、柳町達、佐藤直樹、緒方理貢、笹川吉康、秋広優人、石塚綜一郎の計7人。周東を除けば、レギュラー取りを狙う選手ばかりだ。近藤復帰後の“ビジョン”について、首脳陣に聞いた。
「若い選手も(近藤が)帰ってきたから簡単にポジションを譲るという気持ちでやってもらっちゃ困るので。1軍に残したいと思わせてくれる“何か”を見せてほしいなとは思いますけどね」
そう語ったのは奈良原浩ヘッドコーチだ。若手のここまでのパフォーマンスについて「頑張ってくれてるとは思います」と一定の評価を与えたうえで、こう続けた。「でもちょっとの頑張りじゃ、まだまだね。『やっぱり残すべきだよね』っていう姿がないと。これはどの選手もそうだけど、そうやってみんな1軍に定着していくわけだから」。誰もが通るレギュラーへの険しき道。そこに立ち向かう姿勢を求めた。
「競争はもう始まっている」…コーチが期待する姿
「競争はもう始まっているので。近藤が戻ってきたから『じゃあ僕は引きます』ということではなく、しっかりとアピールしなくちゃいけないのは当然ですよね。これからもまだまだ主力は戻ってくるわけですから。そういうのは期待したいですね」
村上隆行打撃コーチも同調した。近藤が戻ってきたとしても、なお柳田悠岐外野手や今宮健太内野手ら主力が復帰を目指し調整を進めている。1年中がサバイバルの日々――。そこを勝ち抜かなければ、明るい未来はやってこない。
巨人からトレード加入し、1軍に合流した15日から7試合連続でスタメン出場している秋広も闘志を燃やしている。「今は毎試合チャンスをもらえているので。すごい選手ばかりなので。負けないようにやるしかないです」。掴みかけているチャンスを手放すつもりはさらさらない。
4月を終えて最下位に沈んでいたチームは徐々に息を吹き返し、首位と3ゲーム差の4位まで上がってきた。上昇気流を作ったのは若手の活躍が大きな要因であることは間違いない。誰がサバイバルを生き残れるのか。もう1つの戦いにも注目だ。
(長濱幸治 / Kouji Nagahama)