4番中村晃、7番山川穂高…小久保監督が明かした決断の理由「葛藤は2週間くらいあった」

徹底した独自取材、データ分析
選手の本音や核心に迫る「鷹フル」

小久保裕紀監督【写真:古川剛伊】
小久保裕紀監督【写真:古川剛伊】

4カード連続の勝ち越し「一戦必勝なので」

 ソフトバンクは15日、みずほPayPayドームでの西武戦に5-0で勝利し、4カード連続の勝ち越しを決めた。2回にこの日4番に入った中村晃外野手が二塁打でチャンスを作ると、柳町達外野手の中前適時打で先制に成功。西武から昨シーズンに移籍して以降、初めて4番を外れ、7番に座った山川穂高内野手は6回に8号2ランを放つなど、2安打2打点の活躍を見せた。先発の前田純投手は7回無失点の快投で今季初勝利をマーク。試合後に取材対応した小久保裕紀監督の主なコメントは以下の通り。

――4カード連続で勝ち越した。
「一戦必勝なので。主力がいない中で若い選手がしっかりとアピールしながら、いい勝ちにつなげられていると思います」

――打順変更が功を奏した。
「4、5番で1点を取ったところというよりはね、山川に一発が出たので。山川の打順変更に関してはかなり悩みましたけどね。答えのないところに決断を下していくのが監督の仕事なので。きのうの時点で決めました」

――山川選手本人とは話した?
「もちろんです」

――本人の反応は?
「普通に受け入れて。主力がいない中で1人ですべて背負ってやらないといけないという姿が強すぎたというのが我々の見解だったので。それを少し解放してあげようと。そういう話を本人に直接した。主力ももうすぐ戻ってくるので。そうなればまた違うオーダーも組めるかもしれないですね」

――4番に中村晃選手を起用した。
「そこはあまり迷わなかったですね。(山川を)外すなら晃というのは、ずっと前から思っていたので。あとは自分の頑固さというか、それと山川の状態と。そこはずっと葛藤はありましたけどね。きょうは勝たないといけない試合で、しっかり勝ててよかったです」

秋広の初スタメンは「コーチ陣の提案で」

――秋広選手が初スタメン。
「これはコーチ陣の提案です。きょうは本当は筑後に行って測定をしないといけない日だったんですけど。あさって(16日)からいくなら、明日でもいいんじゃないですかというコーチからの提案があったので。じゃあそうしようということで、きょうスタメンに決めました」

――初安打もマークした。
「そうですね。まだどういう選手か分からないので、じっくりと見ていきたいなと思います」

――前田純投手は見事な投球だった。
「10日間しっかりと与えた中で。今回の10日間(の登録抹消)は前回のピッチングに関係なく決めていたんですけど。前回登板が出力が出ていた割にはコントロールができていなかったので。そこの修正をしっかりしてこいと話していて。見事にそこは修正できていたので。やっと初勝利という感じですね」

――あすから楽天3連戦。
「あした有原(航平投手)に頑張ってもらいます」

死球で途中交代の野村勇「病院に行くほどではないと…」

――山川選手に4番を外すと伝えたのは?
「きょうの昼ですね」

――いつから悩んでいた?
「どうですかね……。葛藤自体は2週間くらいはありましたね。ありましたけど、はっきり決めたのはきのうの試合後でしたね」

――去年も打てない時期があった。今回は主力を欠く中、1人で背負っていた部分が大きかった。
「それもありますね。あとはチームの順位、去年は首位だったので。我慢をしましたし、主力もいたんですけど。今年は1人で苦しんでいる中で、勝つというのが与えられている使命なので。そんな中で少し楽なところでやってもらって。本来の状態に戻してほしいなと思いますね」

――5番とかではなく、7番という思い切った決断だった。
「そうですね。自分が現役だったと思うと、色々考えますけど。それでも変わらぬ姿でやってくれましたから。大先輩の秋山さんが3番から9番っていう、(当時の)王監督の時はそれくらいの決断を下されていたので。そういうのも脳裏によぎりながらの決断ですね」

――中村晃選手が期待通りの働きを見せてくれた。
「晃だからできるというか、晃一択でしかなかったので。晃を4番というのは僕が決めたことなので」

――7番に入った山川選手の姿は?
「結果がすべてじゃないですか。何番にいてもチャンスで回ってきますよね。その前の選手の出塁率が高いので」

――明日以降の打順は?
「まだ決めていないです。これから」

――7回に左手への死球を受け、途中交代した野村勇選手の状態は?
「病院に行くほどじゃないというところまでしか聞いていないです」

(長濱幸治 / Kouji Nagahama)