リチャードが心境激白「めっちゃ寂しいけど…」 福岡での8年間は「迷惑ばかりかけた」

取材に応じたリチャード【写真:森大樹】
取材に応じたリチャード【写真:森大樹】

徹底した独自取材、データ分析
選手の本音や核心に迫る「鷹フル」

12日午前に本拠地の事務所で球団幹部と話し合い

「未完の大器」は思い半ばで福岡を後にする。ソフトバンクのリチャード内野手が12日、巨人にトレード移籍することが発表された。同日午前にみずほPayPayドーム内にある球団事務所を訪れ、球団幹部と話し合った25歳は、現在の心境をありのまま口にした。この日取材に応じたリチャードのコメントは次の通り。

――驚きは。
「そうですね。2対1(のトレード)というのにも驚きましたし、僕も育成3位で入団してから8年間、本当にお世話になったので。支配下になってからも、すごく迷惑ばかりかけた思い出の方が多いですけど。いい時も悪い時もあって。チームメートもすごく大好きですし、離れるのは寂しいですけど、また新しいところで頑張っているのを見せるのが、皆の頑張りの力にもなると思いますし。またルーキーに戻った感じで、最初から飛ばしていけるように頑張りたいなと思います」

――通達が来て、王貞治球団会長と話はされた?
「まだ連絡できていないんですけど。今からまだ少しバタバタするので、空いた時間ですぐに会長はもちろん、(小久保裕紀)監督と松山(秀明2軍監督)さんとか、お世話になった人には1人ずつちゃんと電話しようかなと思います」

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――山川穂高選手とも電話はしていない。
「そうですね。まだ」

新幹線で帰福後、帰り道に連絡「トレードかな」

――いつ頃に球団から連絡が来た?
「昨日、(阪神との2軍戦後に)新幹線から降りて、帰り道の途中に。『明日スーツを着て、11時に来るように』って言われたので。夜の9時くらいですかね」

――予感はあった。
「そうですね。可能性があるとしたらトレードかな、みたいな感じではありました」

――実際トレードになって心境は。
「めっちゃ寂しいですね。福岡はいい人ばかりだったし、いい場所でもあったので。寂しいですけど、人生においてはこういう経験ができるのは本当にありがたいと思うので。8年間頑張ってきましたけど、また一から始まるので。これまでのことを活かして、積み重ねていけたらなって思います」

――交流戦でどのような姿を見せたいか。
「いい意味で明るくやっている姿を見せるのも恩返しだと思うので。結果を出すのもそうですけど、人として『元気にやってます』っていうところを見せられるように。そこですかね」

――悔しい思いが多かったと言っているが、ホークス1番の思い出は。
「1番の思い出はやっぱり(1軍での)初ホームラン(2021年9月5日のオリックス戦)ですね。本当にそうそうたる先輩方の中でプレーしていて、優しい声かけとかある中で印象に残っているのは初ホームランで。ギーさん(柳田悠岐選手)が三塁ベースで拍手していたり、デスパイネがこうやって(サムズアップを)していたり、(中村)晃さんも普通に淡々と拍手してくれたり。サード、セカンド、ファーストのベース上で。満塁だったので。そういう人たちの行動とかは今でも焼きついてます」

リチャードが放った1軍での初ホームランの映像【動画:パーソル パリーグTV】

――チームの一員になれた気がした。
「そうですね」

(長濱幸治 / Kouji Nagahama)