5・11の最短復帰に意欲「可能性はなくはない」
最短の「5・11」復帰に向け、順調に歩みを進めている。右前腕屈筋群の筋挫傷と診断され、リハビリ調整を続けている今宮健太内野手だ。7日は筑後のファーム施設で屋外でのフリー打撃に取り組んだほか、約1時間にわたってノックも受けた。「きょうは少し強度を上げましたけど、日に日によくなっていることは間違いないです」。続けて口にしたのは、気になる復帰時期だった。
「きょうは水曜日ですか……まあ最短(11日)の可能性はなくはないと思っているので。あとはしっかり投げられるようになれば。守ることに関しては(1軍で)できるのかなと思っていますし、打つのは全然問題ないので」
目指すのは11日のオリックス戦(京セラドーム)での1軍復帰だ。多くの主力野手を欠くチームは2日から5連勝をマーク。今のホークスに勢いをもたらしているのは、今宮に代わって遊撃のポジションに入っている野村勇内野手だ。今年初めに自主トレを共にした“愛弟子”の姿に感じたものを明かした。
「勇は去年めっちゃ悩みがある中で、今年はそれがなくなって。今年にかける思いは彼なりにすごく強いものがあったので。こうやって怪我人がたくさん出ている中で、僕自身も怪我をして。そこで巡ってきたチャンスを掴もうとしているんで。迷いなくやれているんじゃないですか」
野村に重ねる若かりし日々「そういう世界なので」
最短復帰を目指し、懸命なリハビリを続ける日々でも、野村の活躍はしっかりと見ている。その姿に重ねるのは、自身の若かりし日々だ。
「僕もそうでしたから。(定位置を掴んだ)当時は怪我人が出て、守りから(試合に)入っていって、出続けられたところから始まっているので。どんな選手でも、そういうところにつけ込めればっていうのは大事になってくると思います。それは勇だけじゃなくて、今の若い選手にとってもそうじゃないですかね」
今宮の言葉を当てはめれば、野村にとって今がレギュラーを奪う絶好のチャンスともいえる。「絶対に安泰な場所はないわけですから。そこはもう、そういう世界なので。取られたら取り返しにいくし、取り返せなかったら終わりなので。そういう厳しい世界だと思います」。追われる立場であることは重々承知した上で、最後にこう口にした。
「それとこれは別ですね。自分自身もしっかり力んでやっていきたいなと思います」
愛弟子の活躍を自らのことのように喜びつつも、ポジションを譲るつもりはさらさらない。1軍の舞台で競い合える日々を一番楽しみにしているのは、今宮なのかもしれない。
(長濱幸治 / Kouji Nagahama)