今季初の本拠地3連勝も…新たな懸念
開幕から1か月あまりが経過し、早くも“傷だらけ”のホークスにさらなる懸念が浮上した。今季初の本拠地3連勝を飾った4日のロッテ戦(みずほPayPayドーム)。先発オーダーから栗原陵矢内野手の名前が消えた。首の違和感を訴え、4月17日に1軍昇格してからは初めて出番なく試合を終えた。
チームが少しずつ勢いに乗り始めたところでのアクシデント。小久保裕紀監督は「登録抹消まではいかないと思うんですけど。ちょっと明日、明後日(の出場)は難しいかもしれないですね。あした(5日)の朝の状態、(所沢に)移動してからの状態を聞いて、確認してから決めます」と説明した。
栗原は試合後、「早めに(試合に出られるように)頑張ります」と多くを語ることなく本拠地を後にした。主力野手の戦線離脱が相次ぐ中で、気がかりな状態。試合前練習で起きていた“異変”、そして首脳陣が語った現状と今後の見通しは――。鷹フルが現場で見た1日の流れを振り返る。
本拠地には普段と違う光景が広がった。バッティング練習を終えた栗原は、表情をしかめて天を仰いだ。直後、一塁ベンチに戻った栗原のもとにトレーナーと奈良原浩ヘッドコーチが駆け付け、「3者面談」が始まった。
シーズン終盤とは違う判断の“物差し”
いつもであれば打ち終わっても練習を続けるところだが、この日はその後にグラウンドへ姿を見せることはなかった。試合開始前のセカンドアップにも加わらず、再び姿を確認できたのは試合開始後のベンチだった。
首の状態について栗原は「3日前くらいから張ってはいたんですけど。(違和感を抱いたのは)バッティングです」と振り返った。その後もベンチ裏で電気治療などを行い、回復に務めていたという。
栗原と言葉を交わした奈良原浩ヘッドコーチは当時の状況をこう説明した。「首を気にするようなそぶりをしていたので。どうしたのかなと」。本人は4日の試合に出場する意向はあったというが、「9連戦の最中ということもあるし、痛みの強さがちょっとプレーに支障をきたすという判断になったということです」と欠場の理由を明かした。
優勝争い真っ只中のシーズン終盤であれば、また判断の“物差し”は変わってくる可能性はある。しかし、今は故障者続出という事態もあり、長期離脱だけは避けなければならない。「そういう状況というのはもちろんある。とにかく明日以降の状態を見て判断することになると思う」と奈良原ヘッドコーチは語った。
ようやく投打がかみ合いだし、本来の力を取り戻しつつあるホークス。首脳陣も、もちろん栗原本人も難しい判断に迫られている。
(長濱幸治 / Kouji Nagahama)