術後初めてのフリー打撃に明るい表情も
実戦復帰、そして1軍帰還への“カウントダウン”は着実に進んでいる。4月2日に腰の手術を受け、現在はリハビリに励んでいる近藤健介外野手。5月2日は筑後のファーム施設で術後初めてフリー打撃を行い、鋭い打球を連発した。表情の明るさから調整の順調さが見て取れる。
当初は競技復帰まで2~3か月かかる見込みと発表されていたが、4月下旬には1軍復帰の時期について「5月27日のPayPay(本拠地での日本ハム戦)を目指してます」とはっきり言い切った。それから1週間ほどがたち、近藤が口にしたのは復帰への具体的なプランと、チームへの切実な思いだった。
「(患部に対する)怖さは全然ないですし、痛みもないので。(強度や練習量は)コントロールはしながらですけど、プラン通りには進んでいるのかなと思います」。近藤は時折笑みを浮かべながらうなずいた。
続けて語ったのは「5・27復帰」に向けた具体的なプランだった。日程を見ると20~22日にタマスタ筑後でのウエスタン・中日戦、23~25日には同・阪神戦が関西で組まれている。故障明けの選手はまずDHで出場し、打席数を増やしながら守備に就くケースも多いが、近藤の思いは違った。
2軍戦で“助走”は必要なし…「すぐ就けるかなと」
「1軍の状況次第だと思います。フル出場できるようにということであれば、しっかり守らないといけない。今の段階では、まず9イニング守って、打席にも立って(1軍に)戻るのがベストなのかなと思います。具体的なところは話していないですけど、走る、投げるに関しては、もう問題ないので。守備にはすぐ就けるのかなと思います」
あくまで現時点での考えではあるが、守備に就くまでの“助走期間”は必要ないとの考えだ。本人は「今後、量を振ってみての反動もあると思いますし、1軍に戻ったらずっと試合に出ないといけないので。そこの体力面ですね」と口にするように、焦るつもりはない。それでも、1軍復帰までに必要な2軍戦の数が少なくなれば、“Xデー”はさらに早まる可能性もある。中谷将大リハビリ担当コーチは「状態次第ですね」と語るにとどめたが、ホークスにとってはこれ以上の朗報はない。
自身がいない1軍の状況についても素直な思いを口にした。川瀬晃内野手のサヨナラ打で劇的勝利を収めた1日のロッテ戦(みずほPayPayドーム)。「見てましたよ。乗っていけるような勝ち方でしたね」と喜びつつも、なお最下位に沈むチームに対しては「もちろん申し訳ないというか、(気持ちの面で)難しい部分もあります」と明かした。
一方で、戦列を離れているからこそ感じることもある。「相当苦しいのは間違いないですけど、(小久保裕紀)監督も言っているように、若い選手はチャンスだと思うので。チーム力が問われる期間だなと。僕が戻っても競争できるような選手が出てくることが、今後のホークスにとって大事なことだと思います。何より、1軍の試合に出られるっていうのは、2軍でいくら経験を積んだとしても、全然味わえないことなので。どんどん押し上げてくれる選手が出てきてほしいなと思います」。
チームにとって、そして自身にとってもここが我慢のしどころだ。「手術をして、迷惑をかけているのは事実なので。戻った時には起爆剤になれるような成績を出したいなと思っています」。耐え抜いた先に待っている明るい未来を信じるだけだ。
(長濱幸治 / Kouji Nagahama)