2軍戦で見えた“救世主”の期待…5年目ドラ1を大胆起用 松山2軍監督「もちろん」

松山秀明2軍監督【飯田航平】
松山秀明2軍監督【飯田航平】

光った集中打…14安打10得点で打撃戦を制する

ソフトバンク2軍は4月30日、ウエスタン・阪神戦(タマスタ筑後)に10-8で競り勝った。打線は初回にいきなり5点を挙げると、4回に3点、7回にも2得点と集中打が光った。ドラフト2位ルーキーの庄子雄大内野手が2安打2打点、5年目の井上朋也内野手が3安打1打点と猛アピール。先発の木村光投手は5回途中7失点と苦しんだが、7回からは村田賢一投手、岩井俊介投手、川口冬弥投手のリレーで逃げ切った。試合後に取材対応した松山秀明2軍監督のコメント全文は以下の通り。

――打線は14安打10得点と活発だった。
「きょうは本当にランナーがいる場面でみんながつないで。いいヒットを打ってくれたのが大量得点につながったと。そういう部分ではよかったですけど。ただ、いい試合ではなかったですけどね」

――集中打が出たのはプラス要素。
「あとはピッチャーのところがね。問題はバッターじゃない。バッターはきょう本当に良かったですけど。ピッチャーの方は今年に関しては、みんないつチャンスが来るかわからないんでね。そういう意味ではしっかりと投げてほしいというか。今の状態で2軍の選手が目の色を変えて、1軍を狙っていくような気持ちをもっと見せてほしいですね」

――先発の木村光投手は大量リードがありながら5回途中7失点。
「ピッチャーのミーティングでも話しましたけど、闘争心とか躍動感とか。まずそれがないと。なんかおとなしいというか……。マウンドの上でもっと元気に、そういう気持ちをもっと出して投げてほしいということは伝えましたね」

――ギラギラとやってほしい。
「それはそうですよね、やっぱり相手と勝負するわけなので、自分の技術的な部分よりも、まずは気持ちが前面に出てこないと上に届いていかない。そこをきょうは感じたので。ピッチャーのミーティングで伝えました」

――1軍は9連戦が始まる中で、2軍の投手に声がかからないのは寂しい。

「そうなんですよ。チャンスですからね、本当に」

ルーキー庄子は2安打2打点「馴染んできた」

――ルーキーの庄子雄大内野手が2安打。シーズン当初は苦しんでいた。

「最近はちょっと馴染んできたというか。それなりにバッティングも成績が出てきて。これからでしょうね。プロのスピードであったり、ボールに馴染んできたのかなっていう感じはありますね」

――ここまで三振も目立っていた。
「あれが本当に彼の姿なのか。僕らもまだルーキーなのでわかってないんでね。でも、きょうみたいな仕事ができれば、本当にいいつなぎの選手になっていけるとは思いますけどね」

――3安打した井上朋也内野手は左翼での先発だった。1軍では外野手の離脱が目立っている。
「もちろん、もちろん。今は本当に外野手にチャンスがあるし、彼も元々外野手なので。中学、高校と。だから戻しやすいというか。そういう意味では外野でいって、打てなかったら戻そうかなと。外野も守れて、何かあった時にはサード、ファーストも守れるとなれば、彼にとっては武器になることもあると思うので」

降格後も衰えぬ打棒「求められるもの変わってくる」

――1軍からの要請があったのか?
「そうではなく、昨年からね。今のチームには栗原(陵矢内野手)、山川(穂高内野手)という代表選手がいるわけなので。そことポジションが被るので。彼のバッティングを生かすためにと考えた時に、そういうこともアイデアとしていけるんじゃないかという話はずっとしていました」

――野手陣の目の色はどう感じている?
「野手に関しては本当にみんな、1軍に上がったりしている状況なので。そこはギラギラしていますけどね」

――山本恵大外野手は降格後もしっかり結果を残している。
「2軍でまず打つことは大事ですけど、彼は今度、1軍のスタメンで試合に出ていくことがあれば、バントであったり、エンドランであったりも必要になってくる。彼が1軍にいた場合、当然(打順は)7番、8番、9番ですからね。いきなりクリーンアップで出るわけじゃない。だからそういう細かいところも彼はやっていかないと自分が困るんでね。そういうことも考えて、彼とは話をしていますね。今までとはちょっと目的が違いますと」

――支配下に上がるのと、1軍で活躍するという違い。
「そこはやっぱり選手も求められるものが変わるので、次の段階としては打つことは当然ですけど、それにプラスアルファ、もっと細かいところまでやっていかないと、1軍では難しいとなってくるので」

(長濱幸治 / Kouji Nagahama)