勝利消えても…前田純が試合後に浮かべた笑み「これだー!」 中村晃の一打に蘇った記憶

17日の楽天戦で6回無失点と好投した前田純【写真:荒川祐史】
17日の楽天戦で6回無失点と好投した前田純【写真:荒川祐史】

左腕の本音「自分の勝ち星がどうこうより…」

 ベンチから見上げた右翼線への大飛球は、大学時代に画面を通して何度も目に焼き付けてきた“背番号7”の放物線だった。「おー! これだー! テレビで見てたやつやん! って感じでした」。試合後も興奮冷めやらぬ様子で振り返ったのは前田純投手だった。

 17日の楽天戦(みずほPayPayドーム)。両チーム無得点で迎えた6回2死一、二塁で、中村晃の打球は勢いよく右翼線へと上がった。それを追った前田純の視線はスタンド最前列で止まった。均衡を破る3ランに自然と両こぶしが上がる。ダイヤモンドを1周し、ベンチに戻ってきた大先輩とハイタッチを交わした左腕の表情は、野球少年のようだった。

 先発し、6回までゼロを並べてきた前田純は、この回限りでの降板を告げられていた。今季まだ勝ち星のない左腕に中村が贈った勝利投手の権利という大きな「プレゼント」。それでも左腕の頭に浮かんだのは、全く別の思いだった。

17日の楽天戦で3ランを放った中村晃(右から2人目)を出迎える前田純(左)【写真:荒川祐史】
17日の楽天戦で3ランを放った中村晃(右から2人目)を出迎える前田純(左)【写真:荒川祐史】

中村が“代弁”したナインの思い

(長濱幸治 / Kouji Nagahama)