開幕7戦6敗…ヘルナンデスは防御率27.00も「これより下はない」 首脳陣に感じた“平静”

小久保裕紀監督【写真:冨田成美】
小久保裕紀監督【写真:冨田成美】

徹底した独自取材、データ分析
選手の本音や核心に迫る「鷹フル」

周東同点打も「魔の7回」…助っ人左腕が乱調

 本拠地初勝利はこの日も遠かった。5日の西武戦(みずほPayPayドーム)。2点を追う5回1死満塁で周東佑京内野手が中前への2点適時打を放ち、試合を振り出しに戻した。球場の機運も一気に高まったが、長くは続かなかった。

 先発の大関友久投手の後を受け、7回に登板したダーウィンゾン・ヘルナンデス投手が打者5人に3安打1四球と乱調で、1死しか取れずに降板。3番手でマウンドに上がった尾形崇斗投手も流れを止められずに、この回一挙4点を失った。打線は9回に1点を返すのがやっとで、早くも今季2度目となる3連敗を喫した。

 試合後、囲み取材に応じた小久保裕紀監督の表情や声のトーンは普段と変わらなかった。「(相手先発の)隅田相手に、そんなに点は取れないですから。6点はきつかったですね」。冷静に試合を振り返りつつ、開幕7試合を終えて1勝6敗の現状をこう分析した。

「これより下はないでしょうね。ずっと言っているように、野球はピッチャー中心なので。打線が水物なのは分かっていることですし、なんとか最小失点でやっていくしかないですね」。指揮官はチームの状態が「底」であることを認めた上で、焦りを感じさせることは一切なかった。

今季初昇格の廣瀬を評価「よく見ましたね」

 シーズンも始まったばかりとはいえ、ただ手をこまねいているわけにはいかない。試合後に取材対応した倉野信次1軍投手コーチ(チーフ)兼ヘッドコーディネーター(投手)は、ここまで3試合に登板して防御率27.00と苦しんでいるヘルナンデスについて「信頼は変わっていないです」と強調した上で、こう言及した。

「どういう場面で起用していくのかは監督が決めることなので。話し合いながら、僕も良い提案ができるように。色々なことは考えてはいます。2試合続けて結果が出ていないところはあるので。去年もそういう時はあったんですけど、どうすればもっと良くなるのかはしっかり考えて、なんとか改善したいと思います。欠けたら困るピッチャーなんで」

 助っ人左腕の起用法に関して多くを語ることはなかったが、重要な戦力であることを改めて強調した倉野投手コーチ。状態が上がるように手を尽くすことを誓った。

 2軍に降格したリチャード内野手に代わって1軍昇格した廣瀬隆太内野手は三塁守備を無難にこなし、打席でも落ち着いて四球を選ぶなど、起用にしっかりと応えた。「あそこのフォアボールはよく見ましたね。三塁の守備も良かったと思います」と小久保監督もうなずいた。首脳陣はどっしりと構え、選手の力を信じるだけだ。

(長濱幸治 / Kouji Nagahama)