「老けてほしくない」「退路を断つしかない」 今宮、周東、板東へ…和田毅のメッセージ

今宮健太、周東佑京、板東湧梧【写真:冨田成美】
今宮健太、周東佑京、板東湧梧【写真:冨田成美】

鷹フルの単独インタビュー最終回 愛弟子には厳しくも暖かい言葉

 鷹フルがお送りする和田毅さんの単独インタビュー。全10回のラストとなる今回は今宮健太内野手、周東佑京内野手、板東湧梧投手へのメッセージをお送りいたします。「本当に退路を断つしかない。今年はやるか、やるかなので」——。“愛弟子”に送った厳しくも暖かい言葉とは。

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——今宮選手へのメッセージをお願いします。
「健太は『ショートができなくなったら(現役を)辞める時だ』くらいの覚悟を感じる選手ですね。2020年ですかね。彼が怪我をしている時に、(川瀬)晃やマッキー(牧原大成)が活躍しているのを見て、絶対に悔しかったと思う。ここ2、3年くらいは『まだまだ俺がショートで絶対に君臨してやるぞ』っていう気合を感じます」

——怪我に泣かされる時期も長かったが、見事に復活した。
「一時期、肘の状態が悪い時もありましたけど、肩の強さも健在だし、体の動きもいい時に戻ってきているように見えるので。まだまだ老けてほしくないですね。ショートでの出場試合数(現在1575試合)も、パ・リーグは更新しましたけど、セ・リーグは巨人の坂本勇人君の記録もあるので(2046試合)。それを抜くくらいやってもらいたいし、プロ野球でナンバーワンのショートという称号を取ってほしいな。最近はゴールデン・グラブ賞も(西武の)源田(壮亮)選手に奪われているので、また返り咲いてほしいなと思います」

——次は周東選手へ。
「佑京ですね。彼は若い時からずっと『走るだけじゃダメなんです』と言っていたので。『絶対に走るだけに甘んじたくない。足のスペシャリストだけには甘んじたくない』って。それが昨年、選手会長という重責の中で、彼がやってきたことが結果として現れはじめましたよね」

インタビューに応じた和田毅さん【写真:冨田成美】
インタビューに応じた和田毅さん【写真:冨田成美】

——昨季の活躍は目覚ましいものだった
「足はもちろんでしたけど、守備やバッティングもそうですよね。彼の責任感っていうのも、選手会長になってさらに増したと思いますし。その意図で健太も周東を指名したんだと思いますし、本当にいい人選だったなと思うので。昨年の経験を経て、野球選手としてさらに1つ上のランクに上がったんじゃないかなと」

——今シーズンに期待する姿は?
「さらに責任感のある姿っていうのを今年は見せてくれるはずだし、走るだけには甘んじたくないって言ったその姿を、昨年は見させてもらったんで。今年は『さらに違うな』って。『さすがだな』っていう姿をね。今年は昨年とはまた違った周東の姿が見られるんじゃないかなと思うので。僕はすごく期待してます」

——和田さんにとって選手では初めて引退を伝えた相手。
「そうですね。選手会長でもありましたし、どこでどう発表しようかっていうのを一緒に相談しましたね」

——最後は板東湧梧投手へのメッセージを。
「板ちゃんこそ、今年は勝負の年だと思うので。本当に退路を断つしかない。『やるか、やるか』なので。やるか、やるしかない。やらないっていう選択はないし、やらなかったら終わっちゃうので。本当に、やるしかない。彼の覚悟っていうのを今年、じっくり見させてもらいたいなと思います」

——苦しんでる姿を見てきた。
「そうですね。彼の苦しんでいる姿は見てきているし、厳しいことを言うようだけど、それを作り上げたのは本人なので。悔しかっただろうし、一生懸命頑張ってきた姿は見てきている。でもプロ野球って厳しいことに、頑張っている姿だけでは、結果は得られないので。投げて抑えたことで結果が得られる世界。そこは当たり前ですけど、みんなも一生懸命頑張っているので。頑張っている中で、結果を出さないといけないのがプロ野球の世界。そこに例外はないので。結果で給料も上がるし、結果が出なければ下がっていくし、クビにもなる。今年はやるか、やるかですね」

(長濱幸治 / Kouji Nagahama)