1番近藤、2番柳田…4番今宮 データが導く“適正打順”、役割より重視すべき点は?

  • 著者:DELTA
    2024.07.19
  • 1軍
「5番・近藤健介」は適切なのか…データで迫る
「5番・近藤健介」は適切なのか…データで迫る

永遠の議論テーマ「打順」…小久保監督が重視してきた4番と5番の関係性

 今季から小久保裕紀監督が新たに就任したことで、昨季までとは選手起用に変化が生まれている。その代表例が打順だ。新加入の山川穂高内野手を4番に抜擢。その後ろの5番に球界最高の打者・近藤健介外野手を配置している。

 この打順に対しては、様々な意見がある。今季好調の要因と見る人もいれば、組み替えでより得点を増やせるはずと考える人もいるようだ。実際のところ「5番・近藤」は適切なのか。今回は小久保ホークスの打順の妥当性にデータで迫っていきたい。

 小久保監督が近藤を5番に配置した意図は、鷹フルの単独インタビューで語っている通り、4番・山川との関係性。当初は「2番・近藤」も考えたというが、「逆にそれをしなくてよかったと思う」と語っている。打順を考える際、各バッターには“役割”が託され、前後との相性も大事にされる。

 しかし近年のデータ分析の結果、より多くの得点を奪う打順を組むためには“役割”ではなく、異なるポイントが重要となることがわかってきた。より重視すべきは「シンプルに優秀な打者に多くの打席を回す」こと。多くの打席を回すには上位打線に配置する必要がある。

 その好例とも言える打順を組んでいるのが、大谷翔平投手が所属するドジャース。大谷に加え、ムーキー・ベッツ内野手、フレディ・フリーマン内野手、ウィル・スミス捕手と、チーム内で図抜けた打力をもつ4人の選手がいる。ドジャースはこの4人を1~4番に集中させている。

 6月に1番・ベッツが故障離脱して以降は、2番だった大谷を1番に繰り上げ。NPBであれば、代わりに入った選手がそのままの打順、今回の例でいうと1番で起用されるケースも多いが、単に打順を繰り上げている。1番や2番に役割を課し、大谷にそれを期待しているわけではない。

 実際、打順ごとにどれほど打席数が違ってくるのか。1?9番の打席数平均を算出。2023年のNPBでは、1番打者には1試合平均4.58打席が回ってきたことになる。一方、最も少ない9番は3.71打席。大体1つ打順が下がるごとに1試合平均0.11ほど打席数が減少しており、それほど大きくはない数字と感じる人もいるかもしれない。

○1試合平均の打席数 ※カッコ内は143試合換算
1番 4.58(655)
2番 4.47(639)
3番 4.35(622)
4番 4.25(608)
5番 4.15(594)
6番 4.06(580)
7番 3.94(563)
8番 3.82(546)
9番 3.71(530)
データは2023年NPB

 しかし、シーズン通して見ると話は変わってくる。1番打者が平均655打席を得ていたのに対し、9番は530打席。実にシーズンで125打席もの差が生まれる。もちろん極端な例だが、1つ打順が繰り下がるごとにシーズン16打席ほど減少するようだ。1試合単位で見ればそれほど大きな差には感じられないかもしれないが、シーズン単位で見るとかなり大きいことがわかる。

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 では、この「優秀な打者に多くの打席を回す」という観点で、あらためてホークスの打順別成績を確認する。ここで用いるのは「wRC+」(※1)という打撃指標。100を平均とした場合の打撃による傑出度を数値化している。150であれば平均の1.5倍、50であれば平均の半分の打力であることを意味する。

小久保監督は4番を中心にした打順編成にこだわりを持つ
小久保監督は4番を中心にした打順編成にこだわりを持つ

小久保ホークスになり大きく改善した1・2番事情

1・2番を務める周東佑京(左)と今宮健太【写真:荒川祐史】
1・2番を務める周東佑京(左)と今宮健太【写真:荒川祐史】

「優れた打者に多くの打席を回す」打順は…山川は5番

DELTA http://deltagraphs.co.jp/
 2011年設立。セイバーメトリクスを用いた分析を得意とするアナリストによる組織。集計・算出した守備指標UZRや総合評価指標WARなどのスタッツ、アナリストによる分析記事を公開する「1.02 Essence of Baseball」の運営、メールマガジン「1.02 Weekly Report」などを通じ野球界への提言を行っている。(https://1point02.jp/)も運営する。