担当スカウトが見た4戦連続の“伝説” 笹川吉康の背中を押した「『育成でも行きます』って言っちゃえ」

  • 記者:上杉あずさ
    2024.06.25
  • 1軍
ソフトバンク・笹川吉康【写真:上杉あずさ】
ソフトバンク・笹川吉康【写真:上杉あずさ】

「スカウトが毎日のように来るから、1打席目だけ必ずホームランを打て」

 ファンの度肝を抜く衝撃的なプロ初本塁打だった。15日にみずほPayPayドームで行われた阪神戦。2試合連続でスタメン起用された4年目の笹川吉康外野手が、特大の一撃を右翼スタンドにぶち込んだ。身長193センチ、体重95キロの体つきからフルスイング、走り方と柳田悠岐外野手に通じるものがあり「ギータ2世」と期待される逸材だ。

 この本塁打を予感していた人物がいる。横浜商高時代の野球部顧問で、現在は横浜市立大学でコーチを務めている李剛さんだ。笹川が「Y校のお父さん」と慕う李さんは「打ったから言うんじゃないけど、打つと思っていましたよ」と笑う。卒業後も成長を見守り、度々連絡を取り合ってきた恩師が活躍を予感したのは、高校時代のある出来事があったからだ。

 2020年のドラフト会議で2位指名された。世はコロナ禍の真っ只中。学校は休校になり、高校3年夏の選手権も中止になった。野球部としての練習ができなくなる中でも、1人で黙々と練習を続けていた。プロ入りの夢を叶えるためにも、立ち止まっていられなかったからだ。対外試合が解禁された直後、笹川にとってホークス入団に繋がる大きな転機を迎えた。

(上杉あずさ / Azusa Uesugi)