順調すぎて「だから怖い」 溢した不安…東浜巨が開幕前に味わう“初めての感覚”

ウエスタン・リーグの広島戦に先発したソフトバンク・東浜巨【写真:上杉あずさ】
ウエスタン・リーグの広島戦に先発したソフトバンク・東浜巨【写真:上杉あずさ】

「この時期にこれだけいい調整ができているっていうのも記憶にないぐらい」

 順調すぎる仕上がりに本音も溢れた。ソフトバンクの東浜巨投手が27日、タマスタ筑後で行われたウエスタン・リーグの広島戦に調整のために先発。3回を投げて3安打無失点、5つの三振を奪う好投で開幕前最後の登板を終え「真っ直ぐ自体は良かったと思いますし、打たれてるボールも『だよね』というボールなんで、そこに関しては理解できている」と納得の表情だった。

「オープン戦もある程度しっかり投げられてきましたし、でも、ずっとPayPayドームだったので、今日は仮想ビジターで、屋外のいつも投げていない球場でっていうところで、マウンドへの入り方だったりというところの確認でした」

 初回先頭の二俣を見逃しで3球三振に仕留めた。2死から連打を浴びたものの、韮澤を中飛に打ち取って無失点に切り抜けた。2回は2つの三振を奪って3者凡退。3回も走者を背負ったものの、2つの三振を奪った。安定した投球内容で、3回を無失点に抑えた。

 この日もストレートには力強さがあった。オープン戦から引き続き、好感触は続いているようで「ほぼほぼ良いときに近いというか、すごくそこに関しては、自分の中でも手応えを感じています。これをどう高いレベルで維持できるか。そこにフォーカスを当てて、やりたいと思います」という。

 これで3試合に登板したオープン戦に続き、実戦4試合、18回1/3を投げて、いまだ無失点だ。状態の良さに、東浜自身が「やり残しがないようにというのは、ずっと思いながらやってきていますし、何だかんだ、この時期にこれだけいい調整ができているっていうのも記憶にないぐらい」と驚くほどだ。

 2012年のドラフト1位で亜大からプロ入りし、今年でプロ12年目。これまで11シーズンを経験し、2017年には16勝で最多勝に輝いた実績もあるが、これほどまでに状態良く開幕を迎えたことは「本当にない。初めてかもしれない、感覚的には」という。“順調すぎる”仕上がりに「だから怖いんです」と本音も溢れる。

 東浜が気にするのは“好事魔多し”と言われるからだろう。「そういったときに、怪我だったり、足元をすくわれることがあると思うんで。そこはしっかり分析できれば一番かなと思う。今は数値化されて、全部見れるようになってるんで、しっかりデータ取りながら、いいものはいいとして、さらに良くなるようにやっていけたらなと思いますけどね」。状態の良さに驕ることなく、足元を見つめ、より良くなるように努めている。

「余計なことをしない、じゃないですか。シンプルですけど、しっかり調整を守って、1試合1試合、良くても悪くても、結果云々、内容云々っていうよりは、もう本当に課題をつぶしながら毎日過ごしてるっていう感じ。そのシンプルな思考っていうのを継続したいですね」

 これまでになかった境地で開幕を迎える東浜巨。その充実ぶりは開幕ローテを担う投手の中でも随一。4年ぶりのリーグ優勝を狙う2024年、東浜が頼もしい存在となりそうだ。

(上杉あずさ / Azusa Uesugi)