なぜパドレスが鷹の秋季キャンプに参加? 球団幹部が明かした狙いとつないだ縁

「彼らがこちらに来て良くなって帰ってくるので、何かがあるんじゃないかと」

 プレラーGMが親日家でもあり、興梠氏は「うちのGMが日本の野球を大好きで、日本の育成方法をウチにも取り入れたいと。また、どうやって彼らが、3Aの選手たちがこちらに来て良くなって帰ってくるので、何かがあるんじゃないかということで、今回は3Aのピッチングコーチとかバイオメカニストが学びにきました」と語る。NPBで活躍した投手が、メジャーで花開かせることも多くなり、その秘訣を探るのも目的の1つだという。

 まだキャンプも第1クールを終えたばかりだが、早速、発見があったとエーシー興梠氏は語る。「アメリカのマイナーだと早くブルペンに行くぞ、みたいな感じなんです。こちらはじっくりとウオームアップしてるわけですね。ストレッチもきちんとやる。そこを大事にしなきゃいけない、そうじゃないと怪我に繋がると。小さいことですけど、大事なことなので、取り入れたいなと僕たちは思っています」。準備を大切にする練習環境に注目した。

 ソフトバンクのR&D部門と、パドレスのバイオメカニクス担当者も頻繁に意見を交わす姿がキャンプで見ることもできる。スポーツサイエンスの分野ではアメリカが最先端な印象が強いが、エーシー興梠氏は「ソフトバンクさんはすごく進んでいると思います。簡単に言えば、映像を重ねたりしているんです。そういうのはウチはやっていない。それも取り寄せようと思っています。逆に、意見交換して、ウチから何かいいアイデアを使っていただければいいと思ってます」と言う。

 今回はパドレスサイドからの希望でキャンプ参加が実現したものの、エーシー興梠氏は「こういうキッカケがあるので、今度はパドレスのキャンプに来てくれてもいいかもしれない。こういう交流が続けばいいと思っています」と語る。ソフトバンクとパドレス。NPBを経てメジャーで成功した投手たちが繋いだ縁。球団がより発展していく契機になるかもしれない。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)