支配下昇格の筆頭候補? 最速160キロ育成右腕が目指す“モイネロ2世”

ソフトバンクのマイロン・フェリックス【写真:藤浦一都】
ソフトバンクのマイロン・フェリックス【写真:藤浦一都】

好きな日本語は「サアイコー!」というフェリックス

 10月末まで宮崎県内で開催された「みやざきフェニックス・リーグ」で存在感を見せた育成右腕がいる。ドミニカ共和国出身の22歳、マイロン・フェリックス投手だ。今季は2軍で12試合、3軍では31試合に登板し、最速160キロもマークした剛腕で“第2のモイネロ”との期待も大きく、支配下登録に近い選手の1人だ。

 そんなフェリックスが一気に注目を集めたのは、クライマックスシリーズ前に行われた1軍のシート打撃だった。ファームから招集がかかると、1軍の打者たちを相手に好投。その数日後に話を聞くと「ピッチングも良かったです。1軍のピッチングコーチからも『いいピッチングだった』と言われました。いい気持ちになりました。1軍選手になるために頑張ります」と、にこやかに振り返ってくれた。

「若田部さんから“1軍に行ける”と聞いてすごく嬉しかった」と、その時の心境を語るフェリックスからは笑みがあふれる。若田部コーチも「すごく喜んで行ったもん」と笑いながら振り返る。来日1年目ながら、コミュニケーション能力も高く、通訳なしでも、ある程度のコミュニケーションを取れるようにもなった。日本への順応も早かった。

 1軍の選手を相手に投げるという貴重な機会で、これまで対戦してきたファームとの打者との雰囲気の違いを感じたという。中でもそう感じたのは、現在侍ジャパンの一員としても戦う周東佑京内野手。「周東選手は打席での雰囲気がすごかった。自信を持っていたし、打ちそうだった。足も速いし、ホームランも打てる。すごい選手だと思います」と言う。それでも、フェリックスは周東を遊ゴロに仕留めた。

 一方で、投手として憧れるのは「センガ!モイネロ!」だ。メジャーリーグへの移籍が確実な千賀滉大投手の姿には、大いに刺激を受けたようで「千賀はリラックスしたフォームでもあの球速が出る。あとはコントロールもすごい」と言う。また、同じように育成の外国人選手として入団し、球界を代表するリリーバーになったリバン・モイネロ投手への敬意も忘れない。

 フェリックスにとって憧れの投手で、目指す将来を問うと「モイネロ!クローザー!」と言う。ゆくゆくはモイネロが君臨する守護神の座を目標に掲げ「まずは2軍で結果を残すために、一生懸命練習します」と笑顔を見せた。ちなみに好きな日本語は、円陣の締めでよく言われる「サアイコー!」。投手なので試合前の円陣に加わることはないが、フェリックスが1軍でデビューする日もそう遠くはないかもしれない。

(上杉あずさ / Azusa Uesugi)