小久保2軍監督から「数字にこだわれ」 鷹育成・石塚綜一郎が目指す“右の打てる捕手”

ソフトバンク・石塚綜一郎【写真:藤浦一都】
ソフトバンク・石塚綜一郎【写真:藤浦一都】

ホークスの3軍の中ではトップの打撃成績を残している石塚

 ソフトバンクには次なる“育成の星”となるべく、研鑽に励む若手が数多くいる。懸命にアピールを続ける育成3年目の石塚綜一郎捕手もその1人だ。4月20日にタマスタ筑後で行われた四国IL徳島との交流戦で「4番・一塁」でフル出場すると、4打数3安打4打点と大暴れ。4月24日に行われたヤマエ久野九州アジアリーグ・火の国サラマンダーズとの試合では、途中出場ながら3軍戦で今季4本目となる本塁打を放ち、今季は6割に迫る長打率を残している。

 高校時代は内野手や投手を務めることもあり、捕手としての経験は決して多くない。だが、高校通算39本塁打のパンチ力と打撃センスを買われて、ホークスから2019年の育成ドラフト1巡目で指名された。これまでの主戦場は3軍だが、コツコツと、黙々と右肩上がりの成長曲線を描く。打撃の力強さ、ここぞの場面での勝負強さも年々増しているように感じる。現在の育成野手では、特に目立つ存在だ。

 ただ、当の本人は「いや、やっとという感じです。みんなにも(打ってるじゃんと)言われるんですけど、実際は全然打ってないんです」という。数字を見ると、今季の3軍成績は打率.320。4本塁打、23打点、長打率.573は3軍の中ではいずれもトップと際立っているが、確かに支配下に食い込むには物足りなさがあるのも事実だ。

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