柳田悠岐の所有馬「アップティーバレー」の舞台裏
「アップティーバレー」はギータからの”粋なプレゼント”だった。柳田悠岐外野手の愛馬につけられた名前。その背景には上茶谷大河投手との知られざる「微笑ましいやりとり」があった。「冗談のつもりだったんですけどね……」。背番号64が明かした命名の理由、申請の舞台裏……。そして将来誕生するかもしれない“ゴッド”の存在とは――。
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この先で分かる3つのこと
馬名をおねだり?上茶谷が明かす柳田との開幕前の約束とは
「ゴッド」誕生も?上茶谷が語る馬名候補の意外な舞台裏
移籍後に驚愕…上茶谷が間近で見た柳田悠岐の凄みとは
「シーズン前に『開幕ローテーションに入れたら何か』……と。そこに入れなくても、『1軍に入れたら何か』……みたいな話をしていたんですよ。『何がいい?』と聞かれたので、『じゃあ僕が馬の名前をつけていいですか?』と言ったんです。そうしたら『(名前がまだ)ついていない馬がいるから、いいよ。何にするか決めといて』って。それで決まりました」
競走馬の名前を決める。かなり大きく出た“お願い”に、上茶谷は「マジで冗談のつもりだったんですけどね」と苦笑いする。後輩の言葉を真正面から受け止め、実現させてしまうのだから、さすが柳田だ。「名前を申請する時に由来を書かないといけないらしくて。『上茶谷。“人名”って書く』と言っていました。僕が競馬界に進出することになりました」。
上茶谷の頭の中に、他の候補はなかったのか。名前の「大河」については「ビッグリバーやと短いじゃないですか。あながち、他にもいそうやし」。SNSで呼ばれることもある“神茶谷”を直訳すれば「ゴッドティーバレー」になるが「ちょっといかつすぎるな、と。神々しすぎる。ギータさんから『そいつ(アップティーバレー)がよかったら、ゴッドにするけん』とも言われたので。もしかしたらアップティーバレーの成績で“ゴッド”も生まれるかもですね」。半信半疑の表情で語った上茶谷だが、柳田なら実現させるかもしれない。
移籍してきて触れた柳田悠岐の飾らない人柄
2024年オフに行われた現役ドラフトで、DeNAからホークスに移籍してきた背番号64。柳田の飾らない人柄に触れて感じたのは、どんな時も妥協しないプロの姿勢だ。
「ギータさんが雰囲気を作ってくれるから、みんながやりやすくなる。誰とでも分け隔てなく接してくれるからチームの士気も上がるし、試合でも全力疾走とかもめちゃくちゃ当たり前にやるじゃないですか。どれだけ点差が離れていても、ゲッツー崩れでファーストまで抜いて走らない。『全力でやる』というのは、すごいことなんだなと感じますね」
ホークスに移籍して以降、ウエートトレーニングに力を入れてきた上茶谷。鍛え上げられた柳田の肉体を見ると、努力の証が一瞬で伝わってくる。「めちゃくちゃデカいですよね。締まっている。ピッチャーってボテッとしがちというか、体脂肪もついちゃうんですけど。ギーさんはすごいです。食事も一緒にしたことあるんですけど、やっぱり若い頃からの積み重ねがあるんじゃないですか」。姿勢と人柄の両面で、自然と惹かれてしまうのがギータの魅力だ。
上茶谷自身も驚いた「アップティーバレー」の命名だが、開幕1軍を勝ち取った“ご褒美”であることは間違いない。競馬の知識はまったくない右腕だが、「これから追いかけていきますよ。1回、会いにいかないといけないですね。アップティーバレー!」。騎手になり切り、馬の上に乗ったかのように体を揺らしながら喜びを表現していた。
(竹村岳 / Gaku Takemura)