前田悠伍が長袖シャツに隠した苦悩 通い詰めた上茶谷大河の部屋…互いに口止めした“秘密”「2人で終わってしまう」

  • 記者:竹村岳
    2026.09.17
  • 1軍

2月22日の侍ジャパン戦…“今季最多”の6失点でKO

 球団の福岡移転後、初のパ・リーグ3連覇を成し遂げたホークス。鷹フルではさまざまな角度から今シーズンを振り返っていきます。3年目にして大きな飛躍を果たした前田悠伍投手が語ったのは、活躍の兆しすら見えなかった2月の戦い。上茶谷大河投手の部屋に通いつめ、互いに痛み止めを飲んでいた日々に「2人で終わっていましたね」――。“今季最多”の失点を喫した侍ジャパンとの壮行試合。崖っぷちに立たされた左腕が、自らの意思で野球ノートに残した言葉がありました。

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 類い稀なる才能が“開花”する前。今年2月の宮崎春季キャンプで、左腕は毎夜のように上茶谷の部屋を訪れていた。お互いに関西出身。口数も多く会話は途切れないものの、そのテンションは決して明るくはなかった。「キツかったですから」――。21歳が漏らす言葉を「そうかそうか」と頷きながら聞く。そこには痛みを共有する2人だけの時間が流れていた。

 開幕から無傷の12連勝――。野球に対する妥協を許さず、誰よりも愚直に努力してきた左腕が、3年目でついに覚醒した。「今年だけの話なので。油断しないようにしないと、1年活躍しただけで終わってしまう。これからはもちろん、オフの過ごし方も大事になりますね」。パ・リーグ3連覇の悲願を成し遂げられたのは、前田悠の台頭があったから。それでも本人は満足することなく、ただ高みだけを目指し続ける。

 “今季最多”の失点を喫したのは、2月22日。侍ジャパンとの壮行試合に先発した左腕は、1回2/3を投げて6失点で、予定されていたイニングすら投げきれなかった。その日の夜、野球ノートに残した言葉。「やらないと、終わってしまう」。自らの意思で刻んだ言葉が、当時の生々しい胸中を物語っていた。長袖のアンダーシャツに隠し続けてきた“秘密”。リハビリ組への移管を恐れ、暗闇の中で上茶谷と手を取り続けた。挫折から救ってくれた、大好きな先輩との絆――。

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春季キャンプ中の上茶谷大河と前田悠伍【写真:竹村岳】
春季キャンプ中の上茶谷大河と前田悠伍【写真:竹村岳】

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5月24日、89番のユニホームで先発した前田悠伍【写真:栗木一考】
5月24日、89番のユニホームで先発した前田悠伍【写真:栗木一考】

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(竹村岳 / Gaku Takemura)