藤井皓哉が明かした現状…キャッチボールの球速は
右肘にメスを入れてから、7か月が経とうとしている。これまで1軍のブルペンを支え続けてきた背番号48は、今何を思うのか――。「波はありますけど、今のところ順調にはきていると思います。トレーナーさんいわく、他の人とは違うところが気になるみたいですけど。そんなところです」。現状を打ち明けたのは、藤井皓哉投手だ。
ホークスに入団した4年間で計180試合に登板。昨シーズンも防御率1.44と抜群の安定感を見せ、日本一に貢献した。しかし、右肘の状態が思うように回復せず、今年の2月25日に「右肘内側側副靭帯再建術(通称トミー・ジョン手術)および関節クリーニング術」を受けたことが発表された。今季、1軍登板はもちろん、実戦登板もゼロ。完全復活のためにも、今は静かに自分自身と向き合っている。
タマスタ筑後とみずほPayPayドームを行き来するリハビリの日々。1軍は悲願のパ・リーグ3連覇に向かって突き進んでいるが、当然、自らのやるべきことに集中している。「勝った、負けたくらいしか試合は見ていないですね。特段、気にはしていないです」。そう語る言葉には、ふつふつと燃え上がる思いが込められていた。若手から受ける刺激、投手として感じていた壁、そして理想像まで。右腕が赤裸々に明かした、完全復活への青写真とは――。
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この先で分かる3つのこと
リハビリで若手に抱く対抗心…藤井皓哉が掲げる理想像とは
力を込めないと出ない155キロ…藤井が抱いた「違和感」
「一番のファンサービス」藤井皓哉が語る1軍復帰への覚悟
「成長した姿で復帰しないと手術をした意味がない」
「成長した姿で復帰しないと、手術をした意味がなくなる。それも1年だけではなくて2年、3年、5年と先を見ていきたい。『この手術をしてよかった』と思えるようにしていかないといけないですね」
もう1度投げられるようになる。それはもちろんだが、パワーアップを遂げなければ意味がない。リハビリ組で過ごす今、気持ち的に沈むことはないと藤井は言う。「仕方ないので。投げられないのはもう決まっているし、それも含めて“手術する”ということなので。そこに矢印を向けなくていいのかなと思います」。淡々とした日々かもしれないが、ともに励む若鷹の姿にも成長のヒントはある。
「今のリハには若い子が多いじゃないですか。シンプルに走るスピードとかは速いですね。伸び代がある子もいますけど、トレーニング系で負けることがあるので。そういう子たちに勝ってやりたい、負けないようにやりたいなとは思っていますね」
トミー・ジョン手術は復帰まで1年以上を要する長い道のり。右腕を突き動かしているのは、投手としての“理想像”だ。
「全部の球種で空振りを取れるようになりたいですね。もちろんピッチャーとバッターなので、お互いの読みはあると思うし、配球には前後のつながりもあるんですけど。圧倒したものがないと三振は取れないと思うので。シンプルに力勝負で勝ちたい。理想だけで言えば、そういう思いはありますね」
近年抱いていた“感覚”…右腕が「平均球速の向上」を掲げる理由
51試合に登板した昨シーズンは、最速155キロを記録。50イニングで75三振と驚異的な数字を残したが、本人の目標はまだまだ先にある。「年々ちょっと平均球速が落ちている。少し前ならちょっと力を入れれば155キロが出たんですけど、最近は頑張らないと出ない感覚があった。マックスを上げながら、安定してスピードを出せるようになりたいですし、そういう意味でも見つめ直す期間なのかなと思います」。
現在、キャッチボールの距離は40メートルにまで伸びた。まだ全力で投げてはいけない。自らの“ブレーキ”をかけているが、平地での球速は「120キロくらいまでは戻ってきました」と状態を語る。今後は時間をかけながら、全体の強度を上げていくことになる。完全復活に向かって、着実に歩みを進めていくつもりだ。
「僕ができる一番のファンサービスは、元気に投げること。自分がお金を稼ぐこともそうだし、やっぱり1軍で投げないといけない。ファンの人たちは1軍の試合を見るためにお金を払ってくれるわけなので。それが僕たちの仕事だし、やりがいも感じられるところなので。その気持ちは変えずにいきたいですね」
妥協を許さない右腕らしい表現だった。必ず成長した姿で、藤井皓哉が1軍のマウンドに帰ってくる。
(竹村岳 / Gaku Takemura)