野村勇が抹消され1軍の内野手登録は5人に
パ・リーグ3連覇へと突き進むホークス。8月中旬を迎えて、首脳陣は新たな決断を下した。異例の“内野手5人体制”――。コーチが「大きいよね」と期待をかける存在、さらに再調整となった野村勇内野手の“リアルな評価”に迫った。
8月10日、野村が出場選手登録を抹消された。今季66試合に出場して打率.234、5本塁打、10打点と、出番が限られた中でも代走や守備固めとして出場機会を得ていた29歳。翌11日に昇格したのは石塚綜一郎捕手。これで1軍の内野手登録は5人となった。
二遊間を守るのは川瀬晃内野手、牧原大成内野手、今宮健太内野手、庄子雄大内野手の4人。この野手運用について、本多雄一内野守備走塁兼作戦コーチが意図を説明した。スタメンを託す内野の“柱”、バックアップとして存在感が際立つ存在――。リーグ最少の33失策を誇る、ホークスのディフェンス面を紐解いた。
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この先で分かる3つのこと
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今宮健太の存在が「大きいですよ」
「一塁を守れる選手としては正木(智也)や石塚(綜一郎)もいますしね。勇は代走としても大きかったですけど、足としていくなら庄子や(川瀬)晃がいます。あとは(今宮)健太もいますからね」
一塁を守れる若手に加え、三塁には両リーグトップの31本塁打を誇る栗原陵矢内野手がいる。ユーティリティプレーヤーとして抜群の存在感を示している牧原大についても「あれだけのバッティングをしていたらね。(スタメンで使えば途中で)外す、代えることはないと思う」と本多コーチ。“柱”となるべき、頼もしい存在がいる。二遊間は1人減ることになったが、足りないところは補い合いながら夏場の戦いで白星を拾っていくつもりだ。
遊撃の“基本線”は川瀬と庄子だ。スタメン出場から遠ざかっている今宮に対して、本多コーチは「健太の存在が大きいですよね。セカンドとサードもいけますから。正木ももうよっぽどのことがない限りは途中で代えないですし、そういうシミュレーションはしていますよ」と明かす。正木は一塁手として38試合に出場し、失策はわずかに「1」。守備固めを出す必要がないのは、首脳陣にとっても計算できる大きな存在だ。
野村は8月5日の日本ハム戦(みずほPayPayドーム)で決勝の5号2ランを放ったが、6回には同点につながる失策を喫していた。大津亮介投手の10勝目が消えた痛恨のミス。だが、本多コーチが見過ごすことができなかったのは、背番号99の翌日の姿だった。
「あれはまずは捕って、送球することでプレーを完成させないといけない。それでセーフならまだよかったんですけど、捕っていなかったのは見映えも悪かった。打球に対して攻めきれていない。『引いて守っているな』と、どうしても見えてしまうところはありました。ああなると、守らせることはできないです」
小久保裕紀監督も「年齢的にまだ間に合う」
言及したのは6日の同戦だった。初回1死で五十幡が放った打球は遊撃を守る野村のもとに飛んだ。これをファンブルして送球できず、記録は内野安打。消極的な姿に本多コーチは「技術もそうですけど、『2軍ではできるのに1軍じゃ……』という気持ちの部分もあると思う。精神的な面ばかりを言っていると、この世界はもう終わってしまうので。だからもう本当に自分自身で打破するしかないし、改善するしかないですね」。ミスの内容はもちろん、その姿から“大切なもの”が伝わってこなかった。
小久保裕紀監督も、野村の抹消に言及した。当然、課題は明白だ。
「年齢的にもまだ間に合うという話で。しっかりスローイングの修正をかけるしかないので。今のままいったら頭打ちになるんでね。1軍でなかなか安定した送球は難しいだろうという中で、今回はスローイングの矯正をしっかりね。『全く違ったスローイングのスタイルに変えるという思いでやってきなさい』という話をしたので。コーディネーターの方にも連絡しました。打つ方はもちろん引き続きやらないといけないですけど、とにかくスローのやり方を変える。あのままじゃ限界はあります」
9日の西武戦、庄子は3安打を記録した。打撃面が課題だった23歳が結果を残し始めたことで、野村に時間を与えることもできた。本多コーチは、目を細めてこう語る。「映像でしか見れないですけど、僕は毎日勇を見ていますよ」。かけられる期待は大きい。何倍も成長した姿で、必ず戻ってくるはずだ。
(竹村岳 / Gaku Takemura)