前田悠伍を追う右腕の誓い
いつもとは違う舞台への昂ぶりと、自身の現状に対するもどかしさが、その表情にはっきりとにじんでいた。27日、HARD OFF ECOスタジアム新潟で開催された「ナミックス フレッシュオールスターゲーム2026」。3回のマウンドに上がった村上泰斗投手は最速152キロをマークするなど、持ち味の力強い投球を見せたものの、1イニングを投げて1失点という結果に終わった。
「初球のストレートを打たれてしまって。ストレートを張っているなと思ったので変化球でいこうとしたんですけど、その変化球が抜けてしまった。そこが反省点だと思います」
他球団の若手選手たちと過ごした特別な時間。“初の球宴”は刺激的でありながらも、少しばかり後味が悪いものとなった。「何か浮ついた気持ちのままいってしまったので、もうちょっと呼吸で落ち着けたらなと思いました」。19歳は時に無邪気な笑顔を交えながら振り返ったが、その後に続けた言葉には、密かに燃やし続けている「先輩左腕」への強烈なライバル心と、後半戦に向けた静かなる闘志が隠されていた。
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この先で分かる3つのこと
大活躍の前田悠伍に対し、村上が抱く「リアルな本音」とは
後半戦の1軍昇格へ、村上が見据える「自らの役割」とは
先輩・前田の“ある数字”を上回ると誓った、熱き決意表明
「まだ2軍なので。2軍で投げて終わりじゃないので。ずっと2軍でいるのも恥ずかしいですし。すぐ(1軍に)呼ばれてもいいように、後半戦は自分の出来ることを続けて、それが結果に繋がれば一番いいなと。自分の課題とか長所を伸ばして1軍で投げられるように、勝てるようにやっていきたいと思います」
フレッシュ球宴の独特な雰囲気を楽しみつつも、村上の心はすでに後半戦へと向かっていた。現在、主戦場になりつつある2軍での日々に甘えを見せるつもりは毛頭ない。その言葉には、現状に対する危機感とプライドが入り混じっている。その闘志の根底にあるのが、1つ年上の前田悠伍投手の存在だ。26日の西武戦(ベルーナドーム)で負けなしの8連勝を飾った左腕への思いを、村上はこう吐露した。
「距離が遠く感じたというよりも、尊敬の眼差しというか……。すごいなっていうのは純粋に思います。でも同じ土俵で戦うからには、やっぱり追いつかないといけないと思います」
課題の1軍先発陣…「自分の狙うところ」
入団時に掲げた「左右のエースになりたい」という誓い。時を経て、その思いは確かな熱を帯びた決意へと変わっていた。「あの時よりもやっぱり、強くなってるかなというのはありますね」。前田悠が遠くへ行けば行くほど、村上の誓いはよりリアルな渇望へと変わっている。「追いかける立場だと思うので。そこは自分に甘えず、追いつけ追い越せでやっていきたいと思います」。
1軍では小久保裕紀監督が“先発投手陣の整備”を後半戦の課題に挙げている。当然、右腕もそのことは耳に入っている。チームの苦境は若手選手にとってはチャンスでもある。それは村上にとっても同じだ。
「そこは自分の狙うところだと思うので。後半戦は先発でいくと思うので、1歩でも1軍に近づけるように。もう一踏ん張り、二踏ん張りして、そこに食い込んでいけるように。悠伍さんに近づけるようにと思います」
先発として1軍のピースになるという強い思いが、その言葉と表情からは伝わってくる。「前田悠伍投手は2年目の去年に1勝を挙げましたが、村上投手の目標は?」。そう問いかけると、村上は力強く「2勝します!」と宣言した。今となってはチームを力強く牽引するライバルの背中。後半戦、少しでも左腕に追いつくような投球をしてみせる。