なぜ川瀬晃を今季初の三塁&6番起用? 武内攻略へ躍動…首脳陣が明かした“明確な狙い”

  • 記者:福谷佑介
    2026.07.26
  • 1軍
適時三塁打を放ち、ガッツポーズを見せる川瀬晃【写真:井上学】
適時三塁打を放ち、ガッツポーズを見せる川瀬晃【写真:井上学】

一時はリードを4点に広げる適時三塁打を放った川瀬

 与えられた役割は着実に遂行する。頼もしき“仕事人”が、敗戦の中でも光っていた。25日にベルーナドームで行われた西武戦。6-8と逆転負けを喫した一戦で躍動したのが、川瀬晃内野手だった。

 2回無死一塁での第1打席は犠打で走者を進め、続く柳町達外野手の適時二塁打をお膳立て。1点差で迎えた6回1死一、三塁ではフルカウントから西武先発・武内の内角低めのチェンジアップを捉えて、右中間を破った。2人の走者が生還して、一時はリードを4点に広げる適時三塁打になった。

「ああいう接戦で追加点が欲しいチャンスだったので、思い切っていきました。狙いとかはないですね。姿勢というか、もう気持ちでした」。その裏の大量6失点で逆転を許し、勝利には繋がらなかったものの、無心で振り抜いた一打だった。 

 注目すべきは、その起用法だった。この日、川瀬は今季初めて、三塁手としてスタメン出場した。加えて「6番」という打順も、今季21試合目のスタメンで最も上位。なぜ、慣れ親しんだ遊撃ではなく三塁だったのか。なぜ、この打順だったのか――。そこには、首脳陣の明確な”狙い”があった。

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この先で分かる3つのこと

・武内攻略へ、村松コーチが明かす「6番・三塁」起用の狙い
・庄子と川瀬の同時起用を可能にした、首脳陣の守備配置
・初の三塁も「驚きはない」、川瀬晃が明かす準備と意欲

「右左関係なく使えて、良いアプローチしてくれる」

 起用の意図を明かしたのは、村松有人野手チーフコーチだ。

「武内に対して、良いアプローチができるんじゃないかと。(三塁になったのは)庄子と川瀬の両方を使いたかった、というところですね」

 西武先発の武内は左投手だが、右打者と左打者の対戦成績にほとんど差がない。今季で見ても、周東佑京外野手や柳町達外野手、栗原陵矢内野手ら左打者が前回対戦で左腕を打っていた。初対戦ながら、川瀬なら効果的な攻めができる。そう見込んだ配置だった。

 さらに、首脳陣は同じ左打者の庄子雄大内野手も送り出したかった。川瀬と庄子をどちらも起用するには、どんな布陣が最適か。導き出したのは栗原を一塁へ回し、“究極のユーティリティ”の川瀬を三塁に置くという判断だった。

 今季は三塁でのスタメンはなく、途中出場でも2試合しか守っていなかった。ただ、そこは「練習はやっていたので、特に驚きはないです。準備はしっかりしていましたし、そこが長所だと思ってやっているんで」とサラリ。いつ、どこを任されても対応できるように準備を欠かさない。それこそが川瀬晃という存在だ。

 だからこそ、首脳陣にも不安はなかった。村松コーチは「川瀬はあまり苦手意識とかもない。普通に送り出せる、問題ないかなと」と頷く。6番に据えたのも「(柳町)達は5番で使うことが多かったですけど、ランナーがいるところで(回るように)ちょっとそこはあえて下げて。上手く繋がるんじゃないかなって」。守備面は無難にこなし、攻撃面では川瀬と柳町で4打点と、狙い通りに結果を残した。

 任されたところで、きっちりと仕事をこなす。首脳陣が川瀬に寄せる信頼は変わらず厚い。村松コーチは「右左関係なく使えて、良いアプローチをしてくれるので。本当に心強い存在ですね」と絶賛する。

「自分の長所は、どこでも守れるところ。それを生かせれば、チームも動きやすくなると思いますし、バッティングでアピールを続ければ、スタメンが増えると思っている。長所を生かして、これからもやっていきたい」

 右でも左でも、内野のどこでも対応し、ここぞの場面で結果を残す――。長い戦いを勝ち抜くうえで、川瀬のような存在こそが欠かせない。敗戦の中でも確かな輝きを放った背番号0は、これからもホークスの“心強い存在”であり続ける。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)