倉野コーチが語った「本当にありがたい存在」 中継ぎ陣のキーマン…“誰でも投げられない6回”

  • 記者:飯田航平
    2026.07.13
  • 1軍
津森宥紀と小久保裕紀監督【写真:栗木一考】
津森宥紀と小久保裕紀監督【写真:栗木一考】

首位の原動力…中継ぎ陣は「ただの要因ではない」

 リーグ3連覇、そして2年連続の日本一に向けて首位を走るホークス。その要因の1つに中継ぎ陣の安定感がある。好調な打線もさることながら、緊迫の場面でマウンドへ向かうリリーフ陣の分厚さが相手チームに大きなプレッシャーを与えている。開幕当初は不安視されていたブルペン。それが今やチームの躍進を支える最大の武器となった。そんな中で倉野信次1軍投手コーチ(チーフ)兼ヘッドコーディネーター(投手)が「キーマン」に挙げたのが、1人の右腕だった――。

「要因の1つというより、大きな要因ですよね。ただの1つではないです。やっぱり中継ぎがしっかりしてくれているからこその成績。もちろん全てとは言わないけど、もう一番大きな要因だとは思います」

 倉野コーチは目を細めてこう語る。7回を担うロベルト・オスナ投手は5月、6月で計20試合に登板し、無失点の投球を披露。松本裕樹投手も6月は防御率0.00を記録するなど、状態を上げてきた。さらに守護神の杉山一樹投手は5月、6月の計17試合に登板して自責点はわずか「1」。これほど盤石な布陣を敷くまでに、倉野コーチはどのように中継ぎ陣の立て直しを図ってきたのだろうか。

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この先で分かる3つのこと

誰でも投げられない「6回」に倉野コーチが込めた意味とは
フル回転の津森に倉野コーチが語った「本音の評価」とは
ブルペンを救った、倉野コーチの「考え直すきっかけ」とは

誰でも投げられるわけではない「6回」の重み

「開幕当初は後ろも落ち着かなかったところもあるので。そうなると悪循環になるんですよね。だから、やっぱり後ろの整備という部分が一番(大きい)。もちろん先発も含めてですけど、後ろの整備というのが大きな課題だったので。それがようやく形になってきたというのは、本当にチームにとって大きいと思いますね」

 開幕ローテに名を連ねた投手が相次いで離脱するなど、先発陣に課題が残る中で、先発投手が5回で降板するケースも決して少なくなかった。そんな現状の中で、リードした展開の6回に登場するのが津森宥紀投手だ。今季はここまで27試合に登板して防御率1.46をマークするなど、フル回転の活躍を見せている。もはや「6回からが勝ちパターン」なのではないかと思わせるほどの安定感だ。


「明確には7回から」――。倉野コーチの中での勝ちパターンは7回以降だというが、そこには先発投手陣への期待と、津森の役割の大きさが同居する。「先発には6回はいってほしいというところはありますよね。でも、勝っている中で6回を投げられるピッチャーというのは、誰でも投げれるわけではないので」。勝利の方程式へのつなぎを誰が担うのか。倉野コーチはその重要性を口にする。

泥臭くマウンドを守る、背番号11の存在感


「誰でも投げられるわけではないマウンド」を託されている津森は、あくまで謙虚な姿勢を見せる。「僕はコツコツと信頼を積み重ねていくだけです」。6回の頭から行くこともあれば、イニング途中の火消し、時には9回のマウンドまで任されることもある。ダーウィンゾン・ヘルナンデス投手が離脱している状況にあっても、中継ぎ陣が安定感を保てているのは、間違いなく津森の存在があるからだ。

「津森が状態を上げてくれたというのは、チームにとってかなり大きいですよね。津森にかかる負担はやっぱり大きいので。そこは本当にありがたい存在だなと思ってます」と、倉野コーチも信頼を口にする。

 倉野コーチもその献身的な姿勢に全幅の信頼を寄せる。いかにして勝ちパターンは整備されたのか――。その核心を突くと、倉野コーチは「色々とあるんですけど、今はシーズン中なので。あまり種明かしはしたくない」と口を閉ざした。その上で、少しだけ胸の内を明かしてくれた。「僕の中で1つ、“考え直すきっかけ”があった。それからは『こうしよう』と思って」。

 8日のオリックス戦(京セラ)ではオスナが同点弾を許し、10回に杉山がサヨナラ打を浴びたが、盤石の中継ぎ陣はこの1試合だけで揺らぐことはないだろう。シーズン終わりにその“種”を明かしてくれることを約束してくれた倉野コーチ。秋が深まった頃、どのような答え合わせができるのか、今から楽しみでならない。

(飯田航平 / Kohei Iida)