栗原陵矢に寄り添った周東佑京…ミスの翌日も「たまたまです!」 選手会長に感じる変化「去年とは違う」

  • 記者:竹村岳
    2026.07.13
  • 1軍
12日に勝利し、栗原陵矢と整列する周東佑京【写真:栗木一考】
12日に勝利し、栗原陵矢と整列する周東佑京【写真:栗木一考】

7月打率.333…周東佑京が感じ始めた手応え

 確実に感じ始めた手応えは、力強い口調にも表れていた。「だいぶ勝負できるようになってきました。固まりつつあるのかなと思いますね」。7月は33打数11安打で打率.333。上昇気流を描いているのは、周東佑京外野手だ。「なんでなんだろう……?」。きっかけは、自分自身の中で消化した“疑問”。そして打ち明けたのは、盟友・栗原陵矢内野手の姿に見る変化だった。

 12日に行われた楽天戦(みずほPayPayドーム)は「7番・中堅」で出場。久々に2番以外での先発となったが、2回無死で左前打を放つと、すかさず今季19個目となる二盗を成功。通算250盗塁に王手をかけた。チームは81試合を消化し、2位・西武に3ゲーム差をつけて首位を走っている。油断などあるはずもないが、ここまでの戦いをチームリーダーの1人として引っ張っているのが背番号23だ。

 5月は月間打率.245と下降線をたどったが、6月は同.298と回復。そして、好調の手ごたえをつかんでいる7月。周東が口にしたのは、自らの中で考え、消化したという“疑問”の存在だった。

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この先で分かる3つのこと

7月打率.333「勝負できる」理由とは?
きっかけとなった他球場の“417”
栗原陵矢の隣に寄り添ったわけ「別に!」

京セラでの打率.417「本拠地でも継続してみようと」

「今年、京セラでめっちゃいい感じで打っているのはなんでだろうと思ったんですよね。他の球場で考えていることと比べた時に、京セラで考えている時の方がいいから、それを継続して本拠地でもやってみようかなと。それからちょっとよくなりました」

 オリックスの本拠地でもある京セラドームでは今季、打率.417を記録している。直近の8日の試合では5打数無安打に終わったが、「それでも感覚は悪くなかったんです。だからこっちに戻ってきても、変える必要もないし、変えちゃうと変なサイクルに入ると思ったので。そのまま継続しています」。そう頷く表情に、迷いは一切ない。8日の試合前も、周囲に「バッティング練習、めっちゃよかったです」と漏らしていたほどだ。

 今月に放った安打は、すべてセンターから逆方向。近年磨き上げてきたスタイルが、ここにきて改めて発揮されている。「逆方向に打とうとしているわけではないんですけど、無理には引っ張らないようにしています。結果的にそうなっているのはいいのかなと思いますね」。上手くタイミングを合わせながら、ヒットゾーンに弾き返す。基本に立ち返ったような感覚で、快音が続くようになってきた。

12日、勝利した試合後の整列【写真:栗木一考】
12日、勝利した試合後の整列【写真:栗木一考】

選手会長の後任…栗原陵矢の姿をどう見ている?

 11日の楽天戦では“盟友”が痛恨のミスを喫した。4回1死一、二塁で村林が放った打球は三塁を守る栗原のもとへ。併殺を狙うことなく、ゆっくりと三塁ベースを踏んだ背番号24。アウトカウントを間違えていたことに気づいたのは、その直後だった。チームが13安打9得点を挙げた中、4打数無安打とバットでも振るわず。勝利で飾った試合後の整列、栗原の隣にいたのが周東だった。

 何か声はかけたのか。そう問われると「別に。何も言っていないです」とキッパリ否定した。自分自身も2年間務めた選手会長の座。今季からは栗原にバトンを託した。先頭に立つ姿にも、頼もしさを抱きながら見つめている。

「チームのことをすごく考えているのは伝わってきますね。今、選手会でもいろんな議題があがっているとは思うんですけど、彼も色々(意見は)あると思う。それを言ってくれている感じですから。よくやってくれているのかなと思って見ていますけど」

 かつては、気持ちの弱さが態度にも出てしまっていた栗原。2年前の2024年、不振に苦しんでいた栗原に対し、周東は「周りからしたら腫れ物扱いでしたよ」と語っていたこともあった。時が過ぎ、2人は今、中心選手としてチームを引っ張っている。「クリは、今年はそうでもないんじゃないですか? 昨日(11日)もミスしましたけど、その後もベンチで声を出していましたし。そこは去年、一昨年とは違うのかなと思いますよ」。失敗を胸に刻み込み、乗り越えて強くなる。同じ時代にプレーし、勝利に貢献してきた栗原の存在を、誰よりも近くで見守っている。

 背番号24が2ランを放つなど、3打点の活躍で勝利した12日の一戦。試合後の整列、またしても栗原の隣にいた。「たまたまですね!」。真顔でそう言い切るところも、周東らしい。ミスをした選手に対して、誰よりも真っ先に寄り添う。その姿には、背番号23の優しさが詰まっている。

(竹村岳 / Gaku Takemura)