栗原陵矢、前夜のミスに「情けない」 アウトカウント間違え…目にした指揮官の苦言「寝られなかった」

ヒーローインタビューに応える栗原陵矢(左)【写真:栗木一考】
ヒーローインタビューに応える栗原陵矢(左)【写真:栗木一考】

先制打&2ランで全3打点を叩き出すも……

「疲れました……」

 取材エリアに現れた栗原陵矢内野手は開口一番、こう溢した。12日の楽天戦(みずほPayPayドーム)。初回に1死一、三塁から左前へ先制打、3回には内野安打で出塁した牧原大成内野手を一塁に置き、右中間スタンドへ飛び込む25号2ラン。この日のチームの全打点を叩き出す活躍を見せた男の表情は浮かなかった。

 無理もない。前日の同戦で痛恨のミスを犯していた。初回に7点のビッグイニングを作り、6点をリードしていた3回だった。先発の大関友久投手が黒川に適時打を浴びて1点を返された。なおも1死一、二塁で村林の打球は栗原のもとへ転がった。

 併殺でチェンジかと思いきや、栗原はゆっくりと三塁ベースを踏み、二塁走者を封殺。そのままベンチへと引き上げようとした。これが3つ目のアウトだと勘違いしていた。大関が続く浅村を三ゴロに仕留めて、事なきを得たものの、試合後、小久保裕紀監督からは「隙だらけです。隙しかないでしょう」と指摘されていた。

 痛恨のミスから一夜明けて迎えたこの試合。試合後のヒーローインタビューでは「人生イチ集中していました」と、自戒の思いを込めて口にしていた。どんな思いでこの日を迎えたのか? その心中、そして忸怩たる思いを明かした。

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この先で分かる3つのこと

・「心臓がバクバクして…」監督の苦言を知った夜の心中
・3戦無安打からの復調へ、打撃で変えた「小さなこと」
・普段通りを装うベンチの裏で、栗原が抱えていた葛藤

「情けないですね……。これだけ野球を、プロ以外でもやってきて、ああいうミスが起こるのは自分の責任以外、何物でもないです。もう起こらないようにしないといけないなと思います」

 指揮官からの苦言もメディアを通して目にした。「球場で見て、そこから心臓がバクバクして、寝られなかったですね、昨日は」。凡事徹底を常とするホークスで、レギュラーとして試合に出る身として、絶対にやってはいけないミス。その重大さは栗原自身が一番、痛いほどに感じていた。

 ただ、落ち込んでいるわけにもいかない。チームの中心を担う身だからこそ、普段通りに振る舞った。「昨日のことなので、あまり表情であったりとか、態度に出さないようにっていうのは、気をつけていました」。練習前はベンチで周東佑京外野手と並んで座り、いつも通りに過ごしたつもりだった。

 ただ、心中は穏やかではなかった。「自分の中ではいろんなことを考えながら、練習からやっていた感じですかね」。3試合連続でノーヒット。打撃は下降線を辿ってきていた。「変えたことは色々ありますし、考えていることも色々ありますけど、小さなことなので」。復調の糸口を探しながら、バットを振った。

 とにかく必死だった。いつも以上に気を張った1日だった。「でも、これくらいやらないといけないです」。もっともっと成長しないといけない――。この言葉に栗原の思いが込められていた。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)