5回に9号ソロ…3年ぶりの2桁本塁打に王手
「あ」。打った瞬間の手応えに、“ギータらしさ”が滲み出ていた。タイミングをずらされながらも、捉えた打球は右翼フェンスを軽々と越えた。自身3年ぶりの2桁本塁打に王手をかけ、ダイヤモンドを一周したのは柳田悠岐外野手だ。
先発の前田悠伍投手を打線が初回から援護した。正木智也外野手と栗原陵矢内野手の本塁打で3点を奪うと、その後も得点を重ねた。背番号9の見せ場が訪れたのは、7点差がついた5回無死だ。「グーっと溜めて、いい打ち方ができました。ホームランになって良かったです」。カーブを捉えた一発は、6月10日の阪神戦以来となる9号ソロ。ダメ押しに成功した。
「どうかなという感じでしたけど」。打った瞬間の手応えは微妙なものだったが、その表現が実に柳田らしかった。
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この先で分かる3つのこと
柳田悠岐が直感で放った驚愕の9号ソロ
12年ぶりの7番起用が続く37歳が静かに燃やす闘志
視察に訪れたスラッガー・佐々木麟太郎との初対面
63試合に出場して9本塁打「打てなかったら悔しい」
「コツンとやって、『あ』みたいな感じでした」
対戦したのは3年目右腕の上田。前日6月30日の同戦(東京ドーム)で3安打を放った背番号9は、8回に上田から右前打を放っていた。この日が通算2度目の対戦。捉えたのは112キロだったが、「カーブがあるって知らなかったっす」。直感で反応し、「あ」という感想まで、柳田の個性が詰まった一発だった。
11点リードで迎えた8回1死満塁では二ゴロ併殺に倒れたが、一塁まで全力疾走していた37歳。「悔しいですね。打てる球だったので、ミスショットしました。また修正をかけていきたいなと思います」と、どんな状況でも全力を尽くす姿は変わらない。直近2年は長期離脱を経験しているが、今季は63試合に出場して打率.246、9本塁打、27打点。「数字を残せていないので。怪我をしているよりはましですけど。ここからあげていけるように頑張りたいです」。そう言いながら、静かに闘志を込めた。
「ホームランとか、ヒットが出れば嬉しいですし、打てなかったらもちろん悔しいです。ちょっとでもいい思いをできるように、いい打球が出るように頑張りたいです」
佐々木麟太郎と初対面「大きくてびっくり」
この日は昨年のドラフト会議で1位指名した佐々木麟太郎内野手がみずほPayPayドームを視察した。試合中もスタンドから観戦。4発が飛び出た快勝を目に焼き付けたはずだ。ホークス入団かMLB挑戦か――。動向に注目が集まる21歳は「柳田選手とご挨拶させていただきました」と明かしていた。
一体、どんな会話を交わしたのか。柳田は「大きかったですね。びっくりしました。律儀な方だなという感じ」と第一印象を語る。そして「そこまで深くは話していないのでわからないですけど。入団してもらったら話す機会もあると思うので、そこからじゃないですかね」と続けて語った。ホークスを引っ張ってきた背番号9と、大きな可能性を秘めるスラッガー。入団するかどうかの結論はまだ先だが、ホークスファンなら2人の“共闘”を見てみたい。
12年ぶりの7番起用が続いている背番号9。「(自分は)12年も野球をやっているんですね。お疲れ様です」と笑顔で言い残し、本拠地を後にした。その打棒と明るさは、まだまだホークスには欠かせない。
(竹村岳 / Gaku Takemura)