庄子雄大をスタメンで“使いたい理由” 「新しい発見がある」…首脳陣が明かした相乗効果

  • 記者:飯田航平
    2026.05.17
  • 1軍
スタメン出場が続いている庄子雄大【写真:加治屋友輝】
スタメン出場が続いている庄子雄大【写真:加治屋友輝】

昨季はわずか3試合も…強力なライバルと戦う日々

 目に見えない重圧と戦いながら、自分のポジションを掴み取ろうと必死だ。ルーキーイヤーの昨季はわずか3試合のスタメン出場だった庄子雄大内野手が、今季早くも8度目のスタメンに名を連ねた。二遊間には今宮健太内野手、牧原大成内野手、野村勇内野手、川瀬晃内野手といった実績のある選手たちがひしめく中、首脳陣はどのような期待を寄せて背番号25をグラウンドへ送り出すのか。

「本当に毎日結果を出さないといけない立場ですし、結果が出なかったら『次の日はスタメンじゃないかも』とか考えることもあります。色んな感情がありつつも、毎日必死にやるしかないと思っています」

 5試合連続スタメンも、無安打に終わった16日の楽天戦後に庄子はこう語った。決して平坦ではないレギュラー定着への道のり。快音を残せない日もあれば、試合終盤で代打を送られる悔しさも味わった。1試合を通して複数回の打席が与えられるスタメンならではの難しさにも直面している。それでも首脳陣が庄子を起用し続ける裏には、目に見える数字だけでは測れない、チーム全体に波及する”ある理由”が隠されていた。

会員になると続きをご覧いただけます

この先で分かる3つのこと

コーチが明かした、庄子をスタメン起用する“明確な理由”
先輩の姿から庄子が気づいた、スタメンに不可欠な意識
満塁で犠飛を放った庄子が、打席の中で嫌がった2つの結果

凡打の中にも見える「必死さ」

「なんとか球数を投げさせたり、追い込まれても簡単に終わらない。そういう貪欲というか、必死な姿勢は他の打者にもいい影響を与えていると思うので。そういうところですかね」

 主に今季のオーダーを組む長谷川勇也打撃コーチ兼スキルコーチは庄子起用の理由をこのように語る。そのうえで「凡打した打席でもしっかり球数を投げさせたりとか、内容がある。バットに当てられる上手さは感じるし、どのタイプの投手に対してもコンタクトできる力があるので。そういった点を買っています」。庄子の能力と必死さ、そしてその姿がチームメートに与える刺激が、スタメン起用する最大の理由だと説明した。

プレッシャーの先に見つけた「1打席」の重み

 庄子本人はスタメン出場が増える中で、殻を破ろうと必死だ。「1試合を通してどういうアプローチをしようとか、色々と考えることは多いです。『1打席目にこういう意識で行ってダメだったから、じゃあ次はこうしよう』って。新しい発見というか、“次の段階”というんですかね」。これまでは守備や代走からの出場が多く、その中で打席に立つ回数も限られていた。だからこそ、ノーヒットが続いたことで自身の足元を見つめ直した。

「最近あまりヒットが出ていないので。途中から(の出場)だったら、あっても1打席しかないので。毎回勝負だと思って打席に入っていた気持ちは、スタメンの時でも同じじゃないとダメだって思います。先輩達を見ていたら、1打席目から結果を残しにいってるのはもちろんなんですけど、打席を追うごとに結果、内容ともに良くなっていく。そういうところもスタメンの選手に大事なのかな、って見ていて思うんです」

 その迷いを振り切るように、この日の第1打席では1死満塁から見事な犠牲フライを放った。「とにかく先制点というか、必死に1点を取りにいきたいと思っていました。最悪ゲッツー崩れでもいいし、犠牲フライでもいい。内野フライと三振だけはないようにしようと。最低限の仕事はできたなっていう感じです」。三塁走者の山川穂高内野手が楽にホームに還れるだけの飛球を放ってみせた。これも技術の証明であり、頭を使ってチームのための打撃に徹した結果だ。

 試合後、打点を挙げたことへの満足など微塵も見せなかった庄子。その目はすでに明日へと向いていた。日々、重圧と戦いながら、1打席の重みを噛み締める。「今が大事な時です」――。打撃でも結果を残し、このままスタメン出場を続けていく覚悟は当然ある。

(飯田航平 / Kohei Iida)