移籍が決まった夜の出来事…目に焼き付けたのはどちらの試合?
ソフトバンクは13日、トレードで加入した山本祐大捕手の入団会見を行った。12日に新天地が決まったばかり。会見の第一声では「昨日は気持ちの面で色んな感情が出て、揺らいでいたんですけど。徐々に落ち着いてきまして、今はソフトバンクさんで活躍するところを想像しながら今日を迎えたので。ワクワクしています」と口にした。27歳の人柄が表れたのは、昨夜の“ある行動”だった。
山本祐は2017年にドラフト9位で指名され、DeNAに入団。2024年には自己最多の108試合に出場し、ベストナインとゴールデン・グラブ賞を受賞した。昨季も104試合に出場し、正捕手として活躍。今季もここまで24試合にスタメン出場していた。
尾形崇斗投手、井上朋也内野手との2対1のトレード。山本祐は12日に横浜スタジアムで古巣への挨拶を済ませた後、すぐに荷物をまとめて福岡に移動した。「担当スカウトの方に手伝ってもらいながら、最低限の荷物だけ持ってきました」。突如訪れた野球人生の“節目”。福岡で過ごした夜、山本祐が目にしたのはホークスとベイスターズ、どちらの試合だったのか――。
会員になると続きをご覧いただけます
この先で分かる3つのこと
古巣の一戦よりも優先した新天地への対応
トレード当日に福岡入り…小久保監督の言葉
上茶谷大河から届いた長文のLINE
「ホークスの試合を見ていました。僕も自分で『切り替え早いな』と思ったんですけど。ベイスターズの試合はあまり見ていなかったです」
12日に横浜スタジアムで行われた中日戦、DeNAの先発は東克樹投手だった。山本祐にとって、2023年に最優秀バッテリー賞を獲得した“相棒”が腕を振っていたが「もう僕は(DeNAに)いないので、追う必要もないのかなと。それならパ・リーグの試合をしっかり見ることで、いち早く慣れる方が大事だと思ったので。ホークスの試合を見ていました」。最優先したことは、新しい環境に対応すること。その切り替えの早さも、一流と呼ばれる理由に違いない。
先発していたのは東克樹だが「慣れる方が大事」
福岡に移動した12日の夜、小久保裕紀監督とも顔を合わせた。かけられた言葉は「楽しみにしているよ」。期待が伝わってくる一言に、自然と背筋も伸びた。「とにかく一生懸命やりたいと思います」。山本祐ははっきりと自らの思いを口にした。打撃力はもちろん、捕手として見せたい“自らの武器”とは、どんなものなのか。
「駆け引きができるところだと思います。特別、バッティングがめちゃくちゃいいわけでもないですし、全部がずば抜けているわけでもないので。頭を使ってちょっとでも成功率を上げていく。それは大事なことですし、僕のいいところなのかなと思います」
移籍が決まり、嶺井博希捕手や上茶谷大河投手も連絡をくれた。上茶谷からは「長文のLINE」が届いたという。「『移動がめちゃくちゃしんどい』と言っていました。あとはベイスターズと違うところもあるので、そういうところです」。一度は抱いた複雑な感情にもしっかりと整理をつけて、頼もしい戦力が福岡にやってきた。
「僕自身、昨日もベイスターズの皆さんの前で話すとか、記者会見も含めて得意な人間ではないので。緊張して、正直なにを喋っているのか自分でもあんまりわかっていないんですけど。いい経験をさせてもらっているなと思います」
会見場で口にした丁寧な口調からも、誠実な人柄が伝わってくる。ホークスファンにも「シンプルですけど、祐大と呼んでいただけたらと思います。それが僕の中でも一番嬉しいです」と呼びかけた。2年連続の日本一を目指すホークスの力となるために、全身全霊のプレーで貢献していく。
(竹村岳 / Gaku Takemura)