周東佑京が明かす「ジェラシー」 庄子雄大は「反則ですね」…チームをけん引した韋駄天コンビの“本音”

  • 記者:福谷佑介
    2026.05.11
  • 1軍
 お立ち台に上がった(左から)庄子雄大、前田悠伍、周東佑京【写真:栗木一考】
お立ち台に上がった(左から)庄子雄大、前田悠伍、周東佑京【写真:栗木一考】

プロ初の猛打賞、9番に座る24歳の躍動

 売り出し中の23歳が、何度も塁上を駆け回った。8-3で白星を掴んだ10日のロッテ戦(みずほPayPayドーム)。「9番・二塁」で出場した庄子雄大内野手がプロ入り初の3安打猛打賞。1番に入った先輩の周東佑京外野手とともに足でかき回し、チームを牽引した。

 まずは、2点を追う3回1死だ。庄子はセンター前へ運んで出塁すると、続く周東の適時三塁打でホームに生還した。なおも2死三塁のチャンスで、三走の周東がホームスチールを敢行。柳田悠岐外野手の打席で先発・毛利がセットポジションに入ってからスタートを切った。ベンチで見ていた、同じ足を武器とする庄子でさえ「ビックリした」というほど、誰もが予想しなかった形で、試合は振り出しに戻った。

 4回に1点を勝ち越して迎えた5回には、先頭の庄子がフェンス直撃の三塁打。続く周東の適時打で再び生還し、4点目。庄子は8回の第4打席でも右前安打を放ち、3安打目を記録して、周東、この日勝利投手となった前田悠伍投手とともに、プロで初めてのお立ち台に上がった。

「いやもう本当にプロに入って初めてなので、素直に嬉しい気持ちです。緊張しました。何を喋っていいかというか。本当にちゃんと喋れていたかわからないんですけど……」。そう言ってはにかむ姿も初々しい。小久保裕紀監督も試合後に「こんなに少ないスタメン(の機会)の中で、よくこの早い時期に猛打賞を打ったなと思いますよ」と称賛していた。
 
 9番・庄子、1番・周東――。この並びがチームにいい流れをもたらしている。5日の西武戦では2人の連続二塁打で逆転劇の口火を切り、この日は2人で5安打4得点。庄子が打てば、周東が返し、周東が走れば、庄子も続いた。小久保監督も「今日は9番の庄子(雄大)と佑京で、スピード感が溢れるというか、ドームの空気が変わったので。彼ら2人の活躍で、そういう試合展開になりましたよね」と目を見張るほどだ。

 新たなホークスの武器となりつつある韋駄天コンビ。庄子が周東に全幅の信頼を寄せる一方で、絶対的レギュラーであるはずの先輩は、後輩に対して“意外な感情”を抱いていた。

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この先で分かる3つのこと

庄子が間近で見た、先輩・周東の本盗への本音
小久保監督が庄子に託した「理想の打者像」
周東佑京が明かす後輩への「ジェラシー」の理由

 試合中にも相手投手の特徴などについて情報を交換し合う2人。庄子にとって周東はどんな存在なのか。

「頼りになる先輩ですね」。開口一番、口にするとこう続ける。「不思議な感じはあります。僕がヒットを打てば、周東さんが返してくれる。そういう結果が続いてるんで、継続していければいいなとは思いますね」。生還した直後、ベンチで目の当たりにした周東の本盗には「ビックリしましたね。タイミング的にはアウトかなっていう感じでしたけど、反則ですね。(自らは)考えてもいなかったです」と、驚きを隠せなかった。

 その一方で、先輩の周東は庄子に対して、意外な感情を抱いていた。

「僕は毎回、庄子にジェラシーを感じながら、刺激をもらいながらやってます。ベルーナであの当たり(右中間寄りの中前打)でツーベースにするところとか、この前はアウトになりましたけど、どんなに点差が開いていてもしっかり自分の中で仕掛けて攻めていっている。僕は今年、盗塁数も少ないですし、いききれていない部分があるので。そういうところに刺激をもらいながらやっています」

 試合に出るたびに結果を残し、積極的なプレーを見せる後輩。スピードスターとして、日本を代表する選手にまでなった周東でさえ刺激を受ける、いくばくかの“嫉妬”を抱くほどの存在になっている。

 この日が今季4度目の先発起用。5月5日の西武戦(ベルーナドーム)で初めて起用されると、そこから5試合で、4度スタメンに名を連ね、1安打、2安打、無安打、3安打と結果も出ている。庄子自身は「状態が特別にいいわけでもないと思っています。本当に目の前のワンプレーワンプレーを必死にやろうという気持ちが、今日みたいな結果に繋がっているんじゃないかなと思います」と口にする。

 小久保監督からは、往年の巨人の巧打者を目指す選手像として掲げられた。「元巨人の篠塚さんになれっていうふうに言われたので」。2度の首位打者に輝き、通算打率.304を残した篠塚和典氏。2002年10月2日生まれの庄子は当然、現役時代を知らない。YouTubeなどで動画を探し「求められてる打撃っていうのはああいうバッティングだと思うので、継続してできるようにしたいです」とイメージを膨らませたという。

 メキメキと頭角を現し始めた庄子雄大。互いの背中を見つめ、互いの存在に火をつけられる周東との韋駄天コンビ――。2026年型ホークスの新たな武器になってきている。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)