杉山一樹を藤井皓哉は「止めていた」 左手骨折の舞台裏…開幕前の弱音「どうしたらいいですか」

  • 記者:竹村岳
    2026.05.07
  • 1軍
タマスタ筑後の藤井皓哉と杉山一樹(奥)【写真:竹村岳】
タマスタ筑後の藤井皓哉と杉山一樹(奥)【写真:竹村岳】

杉山一樹が6日の西武戦で25日ぶりに1軍登録された

「藤井さんって、会っていますか……?」

 ペナントレースの序盤、杉山一樹投手がポツリと漏らした。そこには守護神として、孤独と戦う“心細さ”のようなものが滲んでいた。

 杉山にとって藤井皓哉投手は、“仲間”という言葉では収まらないほど、大きな存在だ。ともにブルペンを支えてきた精神的な支柱であり、最も心を許す相手。ただ、2月25日に「右肘内側側副靭帯再建術および関節クリーニング術」を受け、今はリハビリの日々を送っている。1軍にいる杉山とは顔を合わせることも少なくなっていた。

 守護神として、自分自身に対して高いハードルを設定して迎えた2026年。藤井が不在のなかで開幕を迎え、杉山はブルペンを必死に支えようとしていた。驚きの行動に出てしまったのは、4月11日の日本ハム戦(エスコンフィールド)。1回1失点を喫し、試合が終わった直後だった。感情を制御できず、ベンチを殴打して左手を骨折。まさかの形で離脱することになり、小久保裕紀監督も「信頼が崩れるのは一瞬なので。イチから作り直すしかない」と厳しく言及した。

 それから25日が経った5月6日。西武戦(ベルーナドーム)で、杉山は約1か月ぶりに1軍に復帰した。グラウンドに姿を見せると、野手陣をはじめ1人1人に向かって深々と頭を下げていた。「あの事件は自分の中では前向きには捉えられていない。ダメだったら辞めます。やるしかない」。退路を断った決意を胸に秘め、戻ってきた。「丁寧に生きる」という“信条”をもう一度貫き、日本一になるまで全力で腕を振る覚悟を示した。
 
 では、「左手骨折」というまさかの形で戦線を離脱した杉山の姿を、藤井はどんな思いで見ていたのか。「僕は止めていたんです」。今だから明かせるのは、不器用な男同士の友情。どんな言葉で本音をぶつけたのか。「責めたり叩いたりする必要はないですから」――。静かにその舞台裏を明かした。

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この先で分かる3つのこと

藤井皓哉が伝え続けていた「そういうのやめろ」
思わぬ形で再会。藤井から杉山にかけた言葉
開幕前、杉山から聞かれた「どうしたらいいですか?」

藤井皓哉は伝え続けていた「そういうのやめていけよ」

1軍に昇格し野手陣に頭を下げる杉山一樹【写真:加治屋友輝】
1軍に昇格し野手陣に頭を下げる杉山一樹【写真:加治屋友輝】

悔しさがなくなったら「選手として終わりだと思うので」

(竹村岳 / Gaku Takemura)