庄子雄大が明かす“確信”の理由 周東佑京も驚いた「お前、めっちゃ言うじゃん」

  • 記者:飯田航平
    2026.04.16
  • 1軍
ハイタッチをする庄子雄大(右)と中村晃【写真:栗木一考】
ハイタッチをする庄子雄大(右)と中村晃【写真:栗木一考】

ヘッドスライディングで掴んだ同点のホーム

 確信を持って先輩たちに伝えた「セーフです!」――。庄子雄大内野手が、執念の“好走塁″の舞台裏を明かした。ホームイン後に中村晃内野手と交わしたハイタッチ。かけられた言葉は、重みのある「ありがとう」だった。

 15日の楽天戦(みずほPayPayドーム)。1点を追う7回無死一、二塁の好機で庄子の出番は訪れた。二塁走者の代走として出場した庄子は、周東佑京外野手の犠打で三塁に進むと、代打の中村晃が放った二ゴロでホームに頭から突っ込んだ。際どいタイミングのクロスプレーはセーフと判断されたが、楽天ベンチはすぐさまリクエストを要求した。

 リプレー検証の最中、ベンチで周東や栗原陵矢内野手らに囲まれた庄子が先輩たちに伝えたのは「セーフの確信」だった。23歳が明かしたのは、わずかな時間に行われたやり取り、そして中村晃の感謝に対して返した“意外な言葉”だった。

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続きの内容は

周東・栗原も驚愕!リプレー検証中に庄子が連呼した「言葉」
指揮官も絶賛!間一髪の生還を生んだ、庄子の判断
中村晃の感謝に庄子が返した、「意外な一言」とは

「周東さんと栗原さんから『どうなん? どうなん? 本当にセーフか?』と聞かれましたね」

 球場全体が固唾を呑んで大型ビジョンのスロー映像を見つめる中、庄子は落ち着き払っていた。「リクエストされないくらい、セーフの感触があったので。聞かれた時には自信を持って『いや、セーフです。セーフです』と答えました。『お前、めっちゃ言うじゃん。ほんとかよ』って言われましたけど、確信はありました」。その言葉の通り、判定は覆らずにチームは同点に追いついた。栗原からは「ほんまや!」という感嘆の声があがったという。

周東&栗原も驚いた「確信」の理由

 あの緊迫のシーンを、庄子はゆっくりと振り返る。中村晃が打席に入った際、楽天の二遊間は定位置で守っていた。しかし、2ストライクと追い込まれると、二塁手だけが前進するシフトに切り替わった。

「追い込まれてからは『ゴロは全部行け』と言われたので、思い切って勝負したという感じです。セカンドが前に来ていたのはわかっていましたけど、バウンドが弾んだので間一髪かなと。『絶対セーフになる』という気持ちだけでした」

 2ストライクまでは打球によってのスタート判断、追い込まれてからは指示が「ゴロゴー」に変わるという、難しい判断が必要とされる場面だった。「追い込まれてセカンドが前に来た中で、ゴロゴーでよく点を取りましたね。代走でのああいう活躍は評価が上がりますよね」小久保裕紀監督も絶賛するほど、迷いのない判断だった。

セーフ判定となりベンチ前でガッツポーズを見せる中村晃【写真:栗木一考】
セーフ判定となりベンチ前でガッツポーズを見せる中村晃【写真:栗木一考】

寡黙なベテランからの「ありがとう」

 庄子の胸に最も響いたのは、判定が確定した後にベンチで交わした言葉だった。本塁への「道」を作った代打の切り札・中村晃とのハイタッチ。寡黙なベテランから「ありがとう」と声をかけられた。「僕も逆に、『ありがとうございます』と言いました」。庄子は照れ笑いを浮かべながらも、精一杯の感謝を返した。

「晃さんも必死に、犠牲フライや内野ゴロで僕を返そうとしてくれていた。それに対して良い走塁ができて、あんな風に言ってもらえると『次ももっと頑張りたい』という気持ちになります」

 チームのために自分の役割を全うし、泥にまみれて1点を奪いに行く。中村晃の今季初打点を演出できた喜びも大きかった。庄子の勇気と、それを称えるチームメートの温かな眼差し。試合には敗れたものの、背番号25の走塁は見事なものだった。次はどんな局面で、その脚力を見せるのか。この男が塁上にいる限り、何かが起きる――。そんな期待を抱かせてくれたワンシーンだった。

(飯田航平 / Kohei Iida)