柳町達が語った役割…首脳陣が感じる“意識の変化” 求められる走攻守「一番塁に出る選手だから」

柳町達【写真:栗木一考】
柳町達【写真:栗木一考】

勝利を呼び込んだダイビングキャッチ

 バットだけでなく、守りでもチームを救った。1日に楽天モバイル最強パークで行われた楽天戦。5回1死の場面で右中間に鋭く飛んだ打球に対し、一切の迷いなく身を投げ出したのが柳町達外野手だ。白球がグラブに吸い込まれると、敵地はどよめきと称賛の拍手に包まれた。柳町は爽やかな笑顔を見せながら、定位置へ戻った。

 この日は、徐若熙投手が来日初先発。2点リードで迎えた5回、勝ち投手の権利がかかっていた中でのファインプレーだった。もし抜けていれば得点圏に走者を背負う展開にもなり、試合の行方を左右しかねなかったが、その芽を好守で摘んでみせた。卓越した選球眼とバットコントロールを武器に、昨季は最高出塁率のタイトルを獲得した男が、この日は守備でも大きく貢献した。

 昨季から守備への意識をさらに高めてきた中で、今季はどのような思いでグラウンドに立っているのか。そして首脳陣はその姿をどう見ているのか――。柳町の胸中にはレギュラーの座に対する、静かで熱い執念がある。

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続きの内容は

コーチが明かす「一番塁に出る男」に走塁を求める真意
柳町達が自ら語った、打撃以外にも負う「主軸の責任」
3番に座る男が明かした、前後の打者を繋ぐための思考
好守を見せる柳町達【写真:栗木一考】
好守を見せる柳町達【写真:栗木一考】

「パ・リーグで一番塁に出る選手だから」


 試合後、大西崇之外野守備走塁兼作戦コーチは「ナイスプレーだった。大きかったね」と柳町の好守を称えた。そのうえで「去年は前までより『守れる』って思われたと思う。やっぱり守備に対する意欲がすごく出てきている。走塁もそうですけど」と、背番号32の意識の変化を敏感に感じ取っていた。

 特に走塁面について、大西コーチの言葉には熱がこもる。「彼はパ・リーグで一番塁に出る選手だから。ということは、走塁の意識が高くないとチームとしては困るわけですよ。それも重々わかってやってくれていると感じます」。リーグ屈指の出塁能力を持つ男が、守備と走塁に対して高い意識を持つ。その効果がチームにもたらす恩恵は、攻守において計り知れない。

語ったレギュラーの責任

 当の柳町は、どのような意識で試合に臨んでいるのか。「やっぱり試合に出なきゃいけない。バッティングだけじゃなくて、守備も走塁もある。試合に出るからには責任を持って、そういうところも意識高くやっていかなきゃいけないと思っています」。今季も主軸として期待される背番号32は、自身の役割を冷静に見つめる。

 オープン戦では1番打者としての起用が続いたが、シーズン開幕からは5試合すべてで3番に座る。「前も後ろもいいバッターなので、そこを繋いでいくという思いで打席に立っています」。この日も1安打1四球と淡々と役割を全うした。さらなる進化を見せたヒットメーカーが、今季もグラウンドを駆け回る。

(飯田航平 / Kohei Iida)