WBCで見えた張峻瑋“覚醒の兆し” 侍Jを圧倒した48球…台湾の至宝も絶賛した能力「投手に一番大事」

侍ジャパンとの試合でも登板…150キロ台を連発

 将来のチームを背負う育成選手に焦点を当てた新コーナー「未来の推し鷹」。第2回は、ホークスで2年目のシーズンを迎える張峻瑋(チャン・ジュンウェイ)投手が登場です。台湾代表の一員としてワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に出場。日本代表「侍ジャパン」との一戦でもマウンドに上がり、150キロ台の直球を連発しました。「台湾の至宝」との呼び声高い、チームメートの徐若熙(シュー・ルオシー)投手も絶賛した“明確な能力”とは――。

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 貴重な経験を経て、張は11日にタマスタ筑後へと帰ってきた。その表情はWBC以前と比べても、はるかに逞しく見える。「色んないいバッターと対戦して、いい時間を過ごすことができました。残念なのは第2ラウンドにいけなかったことです」。世界の舞台で披露した才能の片鱗。“怖いもの知らず”だからこそ、確かな爪痕を刻むことができた。

 台湾代表と侍ジャパンが激突したのは6日だった。台湾チームは2回に大谷翔平投手に満塁弾を浴びるなど、13点を追いかける厳しい展開の中で、張は5回からマウンドに上がった。吉田正尚、岡本和真、村上宗隆に力強い直球をどんどん投げ込んでいく。2回2/3で42球を投げ、最速は155キロ、平均でも153キロを計測した。その後、グループリーグでの敗退が決まったが、台湾代表として過ごした時間はどんなものだったのか。

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続きの内容は

侍Jを封じた平常心の裏にあった「監督からの指示」
徐若熙が「投手として一番大事」と語った“能力”の正体
徐若熙と毎日意見交換した「野球の話」で得たもの

徐若熙との距離感も縮まり「一番得たものは自信です」

「みんな超一流なので。最初はコーチから『自信を持って行け』と言われました。その言葉を胸に結果を出せたので、それはすごく良かったかなと思います。最初から『打たれてもいい』くらいの気持ちでしたし、正面対決だったんですけど、平常心でいられました」

 打者10人をわずか1安打に封じ込めた。鈴木誠也らメジャーリーガーとの対戦もあったが、「全然、そこまで考えていなかったです。最初から最後まで全力投球だったので」と苦笑いする。目の前の1球1球に全力で集中する。そんな姿に、5学年上の徐も「横で見ていると、『どんなバッター』だとか考えすぎないで投げられていた。それが投手にとって一番大事なところ」と目を見張った。

 ホークスでは前田悠伍投手、藤田悠太郎捕手らと同じ2005年生まれの張。これまで世代別で代表に選出されたことはあったが、トップチームの経験は初めてだった。「ユニホームを着て学んだのは、国の代表として責任感を持って自分のやるべきことをやること。どんな場所、舞台だろうと自分のパフォーマンスを出すしかないんだなと思いました」。重圧を味わい、“世界”を知った。筑後からもう1度スタートを切り、まずは支配下登録を目指していく。

 今季から加わった徐若熙と、育成の張峻瑋。代表期間で距離感も縮まった。徐が「毎日一緒に野球の話をして、いろんな意見を交換しました」と話せば、張も「一番得たものは自信です。ビビらずに投げることができました」と胸を張った。投手としてさらなる成長を遂げ、欠かせないホークスの戦力になってみせる。

(竹村岳 / Gaku Takemura)