オープン戦で打率.353をマーク
17年目の34歳、今宮健太内野手と、4年目の29歳、野村勇内野手。開幕遊撃の座を狙う2人の争いが熾烈を極めている。ともにオープン戦打率3割超えの両者は、今何を思うのか――。鷹フルは2人を直撃した。今宮が明かした本音とは。
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今宮が明かさなかった「打撃で挑む新たな変化」とは
首脳陣も理解。今宮が譲れない「守るべき場所」への覚悟
「そこが全てではない」今宮が競争の先に描くプロの覚悟
静かな口調にこそ、強い思いが宿る。11日の巨人とのオープン戦(みずほPayPayドーム)。「6番・遊撃」でスタメン出場した今宮は、3打席凡退で迎えた6回に右前打を放った。これでオープン戦は打率.353。好調をキープしている。
だが好調なのは背番号6だけではない。前人未到となるショートでの14年連続開幕スタメンに向けて、“最大のライバル”となるのが野村だ。野村はこの日、途中出場ながら2打数2安打1打点をマーク。今宮に負けじと打率.318まで上げてきた。
3打席凡退していた今宮の前で、途中出場の野村が安打を放つ。それに対抗するかのように、ベテランは見事に右前へ打球を打ち返した。春季キャンプから続くポジション争い。開幕まで2週間と迫り、オープン戦も残すところ8試合となった。今宮が明かしたのは、現在の心境だった。
「意識はあまりないですかね。勇に関しても、自分が結果を残していきたいところだと思いますし。誰が打ったからどうとか、何も考えていないのかなと思います。僕自身も、勇が打ったからどうっていうよりは、『自分が』というところ。そんなに意識はしていないですね」
明かしていたショートへの愛着
若く勢いのあるライバルのアピールを前にしても、焦りの色は見られない。「バッティングでは新しいことにチャレンジしながらやっています。それは言わないですけど。競争しているので、打たないとですね」。内容こそ明かさなかったものの、新たな挑戦に取り組んでいることを明かした34歳。さらなる進化を遂げて、開幕スタメンを手繰り寄せるつもりだ。
思えば、今年の自主トレ期間中からショートというポジションへの気持ちは前面に出ていた。「ショートとしてレギュラーを取れれば、もしかしたら『他の場所は守らなくていい』と言われるかもしれない。ショートとして必要だと思ってもらえれば、そのポジションだけになる可能性もあるのかなと思いながら」。首脳陣の起用プランを理解しつつも、「自分としてはそうなればいいなと思っています」と、“守るべき場所”への愛着を力強く明かしていた。
「どうなるかは分からないですけど。悔いが残らないように、という思いがあるので。とりあえず、自分が持っているものをオープン戦で出せればと思っています。結果的に開幕スタメンを取れればいいなとは思うし、そうでなかったらそうでなかったで、そこが全てではないですし。いろいろ考えながらやっていきたいなと思います」
今はただ目の前の1打席、1球に集中する。これだけの実績と経験がある中で、何ひとつ着飾らない言葉で自身と向き合えることに、今宮健太の“強さ”があるようにも思う。誰よりも真摯に野球と向き合うその背中には、プロの世界の厳しさを知り尽くした男の覚悟がにじむ。
(飯田航平 / Kohei Iida)