キャンプ初日には右手を気にする仕草も…
宮崎春季キャンプは4日に第1クールの最終日を迎えた。ここまで投手陣は離脱者もなく、それぞれが順調な日々を送っている。若手を中心に16人の投手が揃うA組も、開幕1軍入りをかけて熱いアピール合戦が続いている。そんな中で、1人静かに調整を続けているのが杉山一樹投手だ。
ここまでA組ではただ1人、ブルペン入りをしていない杉山。キャンプ初日のキャッチボールでは右手を気にする仕草を見せるなど、その状態は気になるばかりだ。右腕を直撃すると、返ってきたのは「知られざる事実」だった。
「初めてなので、こういう調整は……。不安は多少ありますけど、その分しっかりと自分のペースで準備はできるので」
杉山に与えられていたのは、S組にも似た“調整の自由”だった。「倉野(信次)さん(1軍投手コーチ)から『ある程度好きに調整して』と言われたので。まあ好きにというか、『このあたりを目途に自分で調整して』って感じですね」。右手の状態については「(指の)薄皮が剥がれてただけなので大丈夫です。元々、第2クールからブルペンに入ろうかなと思っていました」と明かした。
入団時はブルペンに「入りたがり」のタイプも
入団した当初はむしろ、ブルペンに「入りたがり」のタイプだった。だからこそ、右腕の胸の中には一抹の不安がある。「例年(のキャンプ)は初っ端から入っていますけど、入らずに自分で調整できるかやってみようかなと思って」。一方で1月の自主トレ中にはすでにブルペン入りを済ませており、「肩はできているので。あとは傾斜で力むこと、そこに慣れることだけですね」とコンディション的には問題がないことを強調する。
調整を一任した倉野コーチはこう語る。「杉山は開幕1軍という意味での競争ではないので。別にAにいようが、Sにいようが(変わらない)。僕から特にああだ、こうだと言うこともないし、いい状態で開幕を迎えてくれることだけを考えてくれればいいです」。絶大な信頼を口にしつつ、「当然、どのポジションで投げるかという意味では競争です。そこはみんな同じです」と明かした。
杉山自身も首脳陣の思いは重々理解している。「調整を任されているからと言って、楽するみたいな感じではないので。ブルペンに入るタイミングが例年より遅いだけで、ちゃんとやることはやる。そこは変わらないです」。そのうえでこう続けた。「自分の中で初めてのチャレンジなので。どうなるか分からないですけど、そこも含めてプロとして自己管理できるかどうかだと思います」。
昨季は自身初のタイトルとなる最多セーブに輝きながらも、慢心することなく自らの調整を淡々と進める28歳。リーグ3連覇、そして2年連続の日本一を目指すチームのキーマンに心配はなさそうだ。
(長濱幸治 / Kouji Nagahama)