突然のメジャー挑戦発言…杉山一樹が激白した本音「誰もがそう」 SNSへの本音と固めた覚悟

岡田皓一朗にアドバイスを送る杉山一樹【写真:長濱幸治】
岡田皓一朗にアドバイスを送る杉山一樹【写真:長濱幸治】

契約更改の場で表明「アメリカでトライしてみたい」

 覚悟を決めた決意表明だった。「アメリカでトライしてみたい気持ちは強いです」。昨年12月、契約更改後の会見で杉山一樹投手が明かしたのは、将来的なメジャー挑戦の意向だった。昨季は最多セーブのタイトルを獲得するなど、救援陣の柱として活躍した右腕による衝撃の発言――。突然のことのようにも映る発言の背景には、右腕の知られざる思いがあった。

「自分にとってプラスではないなと思って、これまではあまり発言はしないようにしていましたけど……。今回はまあ、いいかなって」

 言葉を選びながらも杉山が明かしたのは、SNSが浸透した現代に対して抱く“本音”、そして「本当のファン」に対するメッセージだった。

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続きの内容は

「プラスではない」と封印した本音を明かしたわけ
SNS時代に抱える「リアルな葛藤」の正体
大関も言及した「ポスティング」を巡る本音

「『海外に挑戦したい』と発言することって、小さい子どもが『プロ野球選手になりたい』って言うのと同じ感じじゃないですか。自分の人生は1回しかないので、トライすることは全然口にしていいことだと思うので。海外に挑戦して、ダメだったら僕はクビで、野球ができなくなるだけ。発言しても誰にも迷惑はかからないなと思ったので。まあいいかなと」

昨シーズン中から何度も重ねた話し合い

 メジャー挑戦の意向は昨年中からフロントには伝え、シーズン中も複数回話し合う機会があった。その事実があったうえで、あえて本心を言葉にしないという選択肢もあったはずだ。杉山自身が口にしたのは、現代だからこそ抱く「葛藤」だった。

「やっぱりネットの世界ってすごく今発達していますし、色んな妄想とか憶測とかで話す人たちがいっぱいいるので……。でも、そういう人たちって現場でのリアルな会話とか、そういうのも知らずに言うじゃないですか。僕がメディアであまり発信しないのは、そういう憶測で言われるが好きじゃないので。仕方ない部分はありますけど、自分にとってプラスではないなと思います」

 SNSによる誹謗中傷は、昨今のプロ野球界で大きな問題となっている。杉山自身も入団から5年間は満足のいく結果が残せず、“水面下”で多くの批判を受けてきた過去がある。そんな状況でメジャー挑戦の意思をはっきりと伝えたのには、並々ならぬ覚悟があった。

「結局、ちゃんと契約更改の場で話をしたほうがいいかなと。大関(友久)も話していましたけど、『ポスティングを認める、認めない』じゃなくて、海外で挑戦してみたい気持ちがあるっていうだけなんですよね。ルールはルールですし、僕らも分かっているので」

 数十年前に比べ、メジャーリーグとの“距離”が大きく近づいている現状もある。「挑戦できるチャンスがあれば挑戦したい。今はもう、誰もがそうだと思います。そういう目標がないと成長もしないと思いますし、最後はそこに繋がるのかなと感じますね」。

 杉山が提示したのは、SNS時代を生きるプロ野球選手が直面する“リアル”と、純粋な思いだ。結論がどうなるかはまだ不透明だが、今はその覚悟を見守りたい。

(長濱幸治 / Kouji Nagahama)