育成2年目・岡田が杉山の自主トレに参加
2桁の背番号をつかみ取るため、球界屈指の守護神へと駆け上がった男の門を叩いた。育成ルーキーとして、3軍戦を中心に2025年シーズンを戦い抜いた岡田皓一朗投手。「断られるとかもあると思うので」。それでも強い決意を胸に、杉山一樹投手へ自主トレの同行を志願した。
大商大から2024年育成ドラフト9位でホークスに入団した岡田は1年目の昨季、ファーム非公式戦では29試合に登板。1勝2敗2セーブ、防御率1.88と好成績を残した。一方でウエスタン・リーグ6試合で防御率6.43と課題も。「大卒ですし、もう余裕はない」と、並々ならぬ思いで2026年に臨んでいる。
初めて迎えたオフシーズン。タマスタ筑後では杉山と連日トレーニングを共にしている。「もう、ずっと憧れですね」。岡田が明かしたのは、プロ入り前から先輩右腕に抱き続けていた感情だった。そして弟子入りまで橋渡しをしてくれた“意外な存在”がいた――。
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続きの内容は
杉山に弟子入りを橋渡しした「意外な存在」の正体
岡田が驚愕!「今までと全く違う」翌日の体感覚
杉山が隠さず教えた「力のいらないフォーク」の握り方
「大学の時からずっと杉山さんの投球を好きで見ていたんですよ。入団してからも球団のアプリで見られるので、登板は今でも欠かさずチェックしています」
身長193センチ、体重105キロという体格から繰り出される剛速球と、カウント球にも決め球にもなるフォーク。自身も身長187センチ、体重95キロと大柄な岡田の目線は、自然と背番号40に注がれた。「まさに自分が目指している理想像というか」。春季キャンプや3軍戦など、直接会った際には積極的に質問をした。
「大学生の時も、野球の詳しいことは分からなかったですけど、どこから見ても分かるデカさに一目見て『カッコいいな』って。トレーニングもたくさんしていると聞いていましたし。一番ピッチャーの中で吸収できる部分も多いと思って、今回は自主トレをお願いしようと思いました」
自主トレ翌日に感じた感覚の変化「今までと全く違う」
橋渡しをしてくれたのは、杉山と2018年ドラフト同期の奥村政稔2軍投手コーチだった。「秋季練習で、奥村コーチと同じ組で練習を回っていたので、お願いして繋いでもらいました」。その後、球団納会の席で「すべてを学びたいです」と直訴し、快く了承を得た。「どう思われているか分からなかったんですけど、『いいよ』と言ってもらえて」。
自主トレは、初めて経験することの連続だった。7日から2日間、愛知で行われたやり投げトレーニングから同行した。「同じことができるなら、やらせてもらいたいってお願いして」。トレーニング方法からフォークの握りまで、隠すことなく丁寧に教えてくれた。特に衝撃を受けたのは、キャッチボールだった。
「(杉山さんは)フォームがとても柔らかいんです。自分はこれまで、がむしゃらに投げるだけだったので」。助言を受けたフォームでキャッチボールを行った翌日、体にはこれまでにない変化があった。疲労感や関節の感覚が「今までと全く違いました」と振り返る。「フォークも、まだ自分の中で消化できているわけではないんですけど、良い感触はあります」と確かな手応えを口にした。
トレーニングを終え、取材に応じた右腕の表情は、かつてない充実感に満ちていた。「全部が新しくて、必死にすべてを消化したい」。目標の支配下登録へ、この貴重な時間を生かすも殺すも自分次第。勝負の2026年シーズンに向け、最高の準備をしてみせる。
(森大樹 / Daiki Mori)