大野稼頭央が振り返るプエルトリコでの1か月半
異国での生活の中で、新しい夢もできた。「めちゃくちゃ楽しかったですし、本当に良い経験になりましたね」。10月30日に出国し、1か月半後の12月16日に帰国。大野稼頭央投手が笑顔でプエルトリコ・ウインターリーグでの日々を振り返った。
プライベートでは結婚と第1子誕生を公表した21歳。初めて3人で一緒に過ごせるオフでもあったが、日本に家族を残して海外での武者修行を選んだ。「相談した時、奥さんからも『行ってこい』って言ってもらえたので」。家族に背中を押してもらえたからこその決断だった。
プエルトリコでは先発投手として経験を積み、6試合で0勝3敗、防御率3.24。勝ちは付かなかったものの、得たものは大きかった。大野が語ったのはプエルトリコでの“意外な生活”と、得た確かな手応え。そして新たに芽生えた夢だった――。
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メジャー級コーチが明かした球速向上ドリル
大野稼頭央が次に立つと誓った「夢の舞台」
廣瀬隆太と語り合った「テラハ」の感想と関係性
「向こうでは、メジャーも経験したピッチングコーチからトレーニングやドリルを教えてもらいました。上半身と下半身のメカニック的な部分から見てもらって、レベルアップにつながったと思います」
秋季教育リーグ「みやざきフェニックス・リーグ」から再び先発に挑戦した。同リーグでの平均球速は140キロ前半だったが、ウインターリーグでは140キロ後半まで向上した。真っすぐに強い海外打者相手にも良い当たりを許す場面は少なく、空振りを多く奪えたことが大きな手応えとなった。
武者修行の中で、新たな夢も見つかった。「カリビアンシリーズに出てみたいです」。同シリーズは、メキシコやベネズエラ、ドミニカ共和国など各国で行われているウインターリーグの代表チームが集い、カリブ海No.1を決める大会。「ドミニカ共和国が特に強くて。レベルの高いリーグでプレーして、野球選手としての幅を広げたい。いつか球団の提案ではなく、先発投手として一人立ちして、個人で参加してみたいなってすごく思いました」。
振り返った廣瀬隆太との共同生活
ホークスからともに海を渡った廣瀬隆太内野手とは、3LDKのマンションで共同生活を送った。「夕食後にリビングで一緒にNetflixを観たりして。ソファに寝転がって『テラスハウス』を観ながら、『やばい!』『こいつえぐい!』なんて言い合って盛り上がっていました(笑)」。普段は投手と野手で関わる時間は多くなかったが、気を遣わずに過ごせる関係を築いた。
プエルトリコではチームの投手陣とも、自ら積極的に打ち解けた。「最後の方は通訳さんの力を借りなくても(英語で)喋れるようになっていました。向こうの選手も分かりやすく話してくれるので。気付いたら、もう1人で突っ走って喋っていましたね」と楽しそうに振り返った。
その中で日本の環境のありがたさも痛感した。「練習設備もそうですし、向こうでは水を買わなきゃいけなかった。水にお金がかかるなんて今まで経験したことがなかった。日本の生活がどれだけ恵まれているかを感じました」。異国の地での体験全てが刺激的だった。「価値観も考え方も違う。すごく面白かったです」。
契約更改交渉後の会見では、来季の先発ローテーション入りを誓った。「いつか子どもが大きくなった時に、記憶に残るような活躍を見せたい。そのために頑張りたいです」。しばらく休息を取り、年末年始は家族との時間を過ごす。約1か月半の海外修行を戦い抜き、間違いなく成長した姿で帰ってきた。
(森大樹 / Daiki Mori)