大友宗が弟子入りしたあの人物 面識ゼロも“快諾”…意外な人物が「橋渡し」

大友宗【写真:加治屋友輝】
大友宗【写真:加治屋友輝】

自身初の自主トレ「初めましてだったんですけど…」

 悲願の2桁背番号をつかみ取るため、球界屈指の名捕手の元に弟子入りする。育成ルーキーとして2025年シーズンを戦い抜いた大友宗捕手。「俺が電話してあげるよ」――。面識のない先輩との“橋渡し”をしてくれたのは、意外な人物だった。

 社会人、独立リーグを経て、25歳でホークスに入団したオールドルーキー。「今年1年やってみて、やっぱり初めてだったし、いろんな要因がうまくいかなかったのが全てに繋がったのかなと思います」。今季は2軍で打率.233、1本塁打と本来の力を発揮できず、目標としていたシーズン中の支配下登録には届かなかった。

 退路を断って臨む2026年シーズン。春季キャンプから首脳陣に猛アピールするためにも、重要となるのが自主トレだ。初めて迎えるオフシーズンで大友が選んだのは、大先輩の門戸を叩くことだった。「初めましてだったんですけど、『いいよー』と言ってくれました」。明かしたのは、ホークスにも深い縁のあるあの選手の名前だった。

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続きの内容は

・面識ゼロの先輩が即答した理由とは
・2人を繋いだ“意外な人物”…「電話してあげる」
・支配下へ向けて「埋めたいギャップ」とは

「自主トレは甲斐拓也さんと一緒にやらせてもらう予定です。電話でのあいさつが初めましてで、『いいですか?』と聞いたら『いいよー』って。『また連絡するから、よろしくね』みたいな感じでOKしてもらいました。本当にありがたいです」

ハードワークで有名も…「慣れているので」

 大友が弟子入りしたのは、自身と同じ育成出身で、ホークスの正捕手として長年活躍してきた甲斐だった。今季から巨人にFA移籍した甲斐と、今年入団した大友は“入れ違い”の形となり、面識もなかった。それでも自主トレ参加を快諾してくれた先輩に感謝しきりだった。

 甲斐との関係を繋いでくれた人物、それは森浩之コーディネーター(野手)だった。「森さんから『自主トレどうするんや』って言われて、『まだ決まっていないんですよね』と返したら、『甲斐とやったらどうや』と提案していただいて。自分もすごく興味があったので『いいですか』と即答したら、『俺が電話してあげるよ』みたいな感じで繋げてもらいました」

 高いブロッキング力と分析力に定評のある甲斐に捕手としてのイロハを教わることは、大友にとってまたとないチャンスだ。一方で、甲斐の自主トレは練習量の多さでも知られている。それでも、26歳はひるむ様子は一切ない。「初めてなので右も左も分からないですけど、ハードワークには慣れているので。そこは問題ないかなと思います」。球界屈指のキャッチャーから全てを吸収する意気込みだ。

「1軍から必要とされないと、やっぱり支配下にはなれないと思うので。自分の今の現在地と、求められるレベルとの“ギャップ”をしっかりと埋められる作業をしていきたいなと思います」。繋いでもらった縁を生かすも殺すも自分次第。勝負の2026年シーズンに向け、最高の準備をしてみせる。

(長濱幸治 / Kouji Nagahama)