2軍選手と向き合う中で「最初と変わった印象」
2週間にわたって行われた「筑後秋季練習2025」が11月14日で打ち上げとなり、本格的なオフシーズンに突入する。来季から2軍を率いることが発表された斉藤和巳3軍監督。「みやざきフェニックス・リーグ」からチームを率いて約1か月半が経過した。「正直、初めはどうなのかなと思っていた……」。選手たちと向き合う中で「最初と変わった印象」とは? そして理想の2軍像まで詳しく掘り下げた。どうしても選手たちに「気付いてほしいこと」は――。
会員になると続きをご覧いただけます
続きの内容は
・「閉ざしたくない」ホークスの”伝統”
・ 次世代ホークスの「中心選手層」
・「選手が大人になる」成長のゴール
――正式に2軍監督就任が発表された。「みやざきフェニックス・リーグ」から1か月以上、2軍選手を見ている。最初と印象は変わった?
「そんなに大きくは変わっていないけど、1人1人とたわいのない会話をすると『上手くなりたい、1軍で活躍したいってみんな思っているんだな』と感じた。正直、最初は『どうなのかな。大丈夫かな、この先心配だな』と思っていた。でも心配していた中でも、1人1人と話していくと、上手くなりたいと本気で思っている。ただそれにはまだ本腰が入っていないし、まだまだ意識が低い。意識の方向性や考え方、そういうところがまだまだ未熟だから、ここ(2軍)にいるんだなと感じる。ただプレーを見ていても能力は高いものを持っている。でも野球が上手くなりたいと思っていても、色々なことが上手くいかないと、そこで色々なバランスを崩してしまう。そこが一番弱いところなんじゃないかなと。そのままでは、中々思い描いているようにはいかない。それを整理しながら向き合っていかなければいけないという感じですね」
――選手1人1人と時間を設けて「対話」しているのを何度も見かけた。
「選手の性格も分かってくるし、こっちはどうにかしたいという思いしかないので。それは選手のためだけではなくてチームのため、チームの将来を考えた時に、今ここにいる2軍の選手たちが出てこないと心配になる。やっぱりずっと強いチームを経験させてもらって、強いホークスをみんなが作ってくれて、またこうやって関わらせてもらっているので。それは閉ざしたくない思い。でもそんな簡単ではないよなっていう。だから来年また新しいコーチ、スタッフと一緒に力を合わせてやらないといけない。2軍ともなると、1軍の状況で色々変わってくるし、それに対応していかないといけない。俺も初めてのことだから、やりながらというところももちろんあるけど」
「ただ(選手1人1人に)気付かせてやりたいし、気付いてほしい。『これは方向性のベクトルが合ったらすごいことになりそうやな』とか、能力がある選手はいるし。でもただ能力だけじゃこの世界では生きていけないから。やっぱりそういう考え方であったり、意識はその方向に合わせていかないと。成長のスピードがやっぱり遅くなってしまう。そういうことには1人でもならないようにしたいなっていう。どこまでできるかは正直分からないけど、そこはもう全身全霊でやる覚悟で来させてもらっているから。これはもう3、4軍に対してもずっと一緒」
2軍監督として描く「チーム像」
――選手たちが能力を発揮するためのサポートをしていく。
「そのためのサポートは全力で、いつでもする体制なわけで。こちらがどれだけ『上手くなってほしい』『こうなってほしい』という理想を持っても、選手の気持ちと一致しないと成長のスピードは上がってこない。そういう方向に向かわせるのもこちらの仕事だけど、『お前らが来てくれないと』というのもあるので。そのためには対話し続けていくしかないのかなっていう」
――2軍監督を務める中で描いている「チーム像」は?
「来年、どういうメンバーが2軍にいるかまだ分からないけど、今回で言うとフェニックスに行ったメンバーを見ていて、まず思ったのが『ドラフト1位から3位の選手がたくさんいるな』と。強いチームはドラフト上位の選手がレギュラーを張っていたりするわけで。ということは、彼らが次世代のチームの中心にならないといけない。2軍監督になったからには、彼らをそういう方向性に持っていく責任がある。だから楽しみと同時に大変やなと思うね」
――「チームの未来」を担ってもらわないといけない。
「来年は1人でも多くの選手の足がかりになってくれたらなっていう。それで再来年ぐらいには1人でもしっかりレギュラーになって。それで『1、2年前までこんな感じでやっていたのに、ああ成長したな、大人になったな』って感じる選手が1人でも多く出せたらいいよね」
(森大樹 / Daiki Mori)