チームの勝ち頭が2回でKO…今季5敗目
抜群の相性を誇っていた相手に、まさかの“逆襲”を受けた。今季12勝を挙げているチームの勝ち頭が、3回のマウンドに上がることなくノックアウト。12日のロッテ戦(ZOZOマリン)で2回4失点(自責2)と崩れ、5敗目を喫した大関友久投手は試合後、反省と謝罪を口にした。
初回からロッテ打線に飲み込まれた。1死で西川にソロを被弾して早々に先制点を献上。2回は先頭打者に遊撃へのゴロを打たせたが、野村勇内野手の悪送球(記録は失策)で出塁を許すと、その後に2本の適時打を浴びた。2連敗中だったチームの悪い流れを食い止めることができず、2回を投げ終わった後に小久保裕紀監督から交代を告げられた。
指揮官は試合後、「守備のミスもあって、(大関も)抑えないといけないんでしょうけど、なかなか難しいですね。残り試合を考えても、あのままズルズルと投げさせるよりもスパッと切ったほうがという判断です」と説明。左腕を責めることはなかったが、本人の表情は当然、晴れなかった。「もっと早く察知していれば……」。左腕が感じた相手打線の“変貌”とは――。
「初球から打たれたという点では、もっと早く自分の中でも察知していればと思います。1球目から押していく、刺していくという力強さを出していけたら変わったのかなと。早めにぱっと作戦を変えることができず、結果的にそれが2イニング続いてしまったことで、ああいう投球になってしまった」
対戦防御率1.62 お得意様だったはずが…
大関が口にした反省が、この日の投球を物語っていた。この日浴びた5安打のうち、実に4安打がファーストストライクを捉えられたものだった(うち2本が初球打ち)。また、対戦した打者12人で、ファーストストライクをスイングされたのは10回にも上った(1人は犠打)。
結果を見れば、ロッテ打線はカウント球をのびのびと振り切っていたことになる。「嶺井さんと話していて感じたのは、初球から狙っているストレートを前で打つっていうのが作戦としてあったのかなと。そこに対して対応というか、作戦を変えられなかったのが一番の反省点です」。大関も相手の変化を感じていた。
ロッテは“お得意様”のはずだった。ここまでのキャリアで17試合に登板し、対戦防御率は1.94をマーク(12日の試合前時点)。ZOZOマリンでも登板8試合で防御率1.62を記録するなど、相性は抜群だった。首脳陣も左腕に連敗ストップを期待してマウンドに送り出しただけに、手痛い1敗となったのは間違いない。
「早い回で降板したのもそうですし、やっぱりああいう試合にしてしまった。序盤から苦しい展開の試合にしてしまったことに対して、チームやファンへの申し訳なさ、悔しさっていうところが大きいです」。試合後に“謝罪”を口にした左腕。それでもまだ、やり返す機会は残っている。次回登板こそチームに白星をもたらし、笑ってみせる。
(長濱幸治 / Kouji Nagahama)